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【主張】官民ファンド 組織運営の透明性高めよ

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 衣替えしたばかりの官民ファンド、産業革新投資機構(JIC)の田中正明社長らの報酬をめぐり混乱が起きている。

 監督官庁の経済産業省が、いったんは高額報酬案を提案しながらこれを撤回し、反発した経営陣が同省との協議を拒否する事態となった。

 幹部の処遇という経営の基本すら認識を共有できず、信頼関係を大きく損なった。これでまともに事業運営できるのかと疑われても仕方あるまい。

 混乱の責任を取り、世耕弘成経産相らが給与を自主返納する処分を決めた。このままではJICの存在意義さえ問われかねないと厳しく認識すべきである。

 JICは今年9月、産業革新機構を改組して発足した。経産省がJICに提示した報酬水準は、成功報酬を含めて最大で年1億円を超えるものだった。

 だが、他の官民ファンドと比べても高額なため、世論の理解を得られないと判断を変え、11月に報酬案を撤回した。JICは納得せず、当初案通りの報酬規定を提出したが、同省は認めなかった。

 世耕氏が「確定前の案を提示するという事務的な失態を起こし、相互不信を招いた」と語り、自らを処分したのは当然である。

 一定の報酬がなければ、優秀な人材を確保できない事情は理解できる。同時に経産省には報酬や事業の厳格な監督も求められる。そこがあまりにも不十分だった。

 前身の産業革新機構は政府との関係があいまいだった。成長企業を独自に発掘し、高リスクでも投資する役割から外れ、政府の意向に左右されることもあった。これを改めて本来の役割に徹することにした改革が、出足からつまずくようでは元も子もない。

 これを機に、他の官民ファンドも含めて経営の透明性を高めてもらいたい。ここ数年で相次ぎ発足した官民ファンドの中には赤字を垂れ流したり、ほとんど投資実績がなかったりするものがある。

 投資目的を再確認し、成果を速やかに開示するなど透明性を高める取り組みが必要だ。ファンドごとに異なる業績評価基準の統一など監督体制も強化すべきだ。

 公的な資金を使い、民間では投資しにくい事業再生などを手掛けるのが官民ファンドだ。有望な投資先を発掘できず、資金をもて余すようなら、早期に解散し、国庫に返納してもらいたい。

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