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営業利益率を犠牲にしてまで鳥貴族が店内串打ちにこだわる理由

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 焼き鳥を調理する工程に串打ちがある。いきなり個人的な話で恐縮だが、記者は学生時代、友人の焼き鳥屋台を手伝ったことがある。鶏肉の塊を切って、ひたすら串に刺していく作業はともすれば単調になりがちで、「早く終わらないかなあ」と思ったことがある。

 焼き鳥を主力商品とする鳥貴族では、各店舗で肉を切って、従業員の手で串打ちすることにこだわっている。人件費高騰に苦しむ外食産業にあって、膨大な手間がかかるこの作業をやめれば、同社の営業利益率は3~4%も改善すると指摘するジャーナリストもいる(出所:『居酒屋チェーン戦国史』 中村芳平著、イースト・プレス刊)。同著によれば、鳥貴族の大倉忠司社長は「非効率でコストアップでも続けないと、鳥貴族らしさが失われる。焼き鳥は串打ちという最後のひと手間を加えることで、本当においしくなる」と語っている。

 鳥貴族は2017年9月に発表した新中期経営計画で営業利益率8%の達成を掲げている。直近の営業利益率は5~6%台を推移しているので、単純に考えると串打ちをやめてしまえばその目標を一気に達成できることになる。

 なぜ、鳥貴族はここまで店内での串打ちにこだわるのだろうか。同社営業部の真門洋平部長に聞いた。

鳥貴族は店内での串打ちにこだわっている(出所:鳥貴族公式Webサイト)
鳥貴族は店内での串打ちにこだわっている(出所:鳥貴族公式Webサイト)

 串打ちにかかる時間を計算してみると?

 まず、串打ちがどの程度手間がかかるものなのか、分かりやすく解説しよう。

 標準的な鳥貴族の店舗面積は35~40坪で、席数は65~70となっている。店舗がオープンする前の作業には焼き鳥の下準備だけでなく、床の清掃、テーブルの準備、焼き鳥以外の料理の仕込みなどがある。開店準備作業の中で一番時間がかかるのが焼き鳥の仕込みで、全体の約8割を占めるという。もっと具体的に説明すると、1人の従業員が1時間働く分の仕事量を「1人時」としたとき、20人時分かかるという。仕込み作業は3~4人で行うことが多いので、いかに膨大な作業量なのかがイメージできるだろう。

 鳥貴族で提供している一般的な焼き鳥は約60グラムだ。人気のあるつくね、砂ずり(砂肝)、きも(レバー)、せせりなどが該当する。標準的な店では1日あたり426本の焼き鳥が提供される。1人が1時間で仕込むことができる鶏肉は1.7キロと見込んでいる。真門部長は「慣れた従業員だと3キロくらいできる。一番早い従業員だと5~6キロですが、(それができるのは)ほんの一握りです」と説明する。

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