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RCEP 実質合意見送り 関税撤廃などで隔たり 来年最終合意のシナリオ揺らぐ

RCEP閣僚会合で記念写真に納まる各国の参加者=12日、シンガポール(共同)
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 12日に開かれたRCEPの閣僚会合で実質的な妥結が見送られ、来年の最終合意という目標に向けて各国が描いていたシナリオが大きく揺らいだ。背景には、関税を撤廃する品目の割合を示す貿易自由化率などでの隔たりの大きさがあり、知的財産権の保護といったルール分野などでも食い違いが指摘されている。各国は今後の協議でも引き続き来年の最終合意を目指していく方針だが、通商協議の難しさが浮き彫りになっている。

 RCEPの交渉の対象となっているのは関税削減や知的財産権保護、電子商取引のルールなど18分野。すでに合意済みの分野は5つで、「残るのは政治的な判断を要する重要な論点」(世耕弘成経済産業相)だった。

 今回のシンガポールでの一連の会合では、このうち主要な分野で合意する実質的な妥結をし、さらに来年の最終合意を目指すシナリオを想定していた。しかし今回の閣僚・首脳会合で実質的な妥結に至らなくなったことで、こうした筋書きは軌道修正を迫られる。

 各国間の溝が最も深い論点は、関税の撤廃割合を示す自由化率だ。当初は低く設定した上で、将来的には90%程度にまで引き上げる案が出ていたが、自由化率の引き上げは工業が十分に発展していない新興国には不利な側面もある。なかでも対中国赤字の拡大に警戒感を強めているインドは関税引き下げの決断が難しく、高い自由化率に難色を示したという。

 またルール分野でも対立が指摘されてきた。知的財産権保護や電子商取引、投資などの高水準なルール整備に消極的な中国やインドと、「質の高い協定」(世耕氏)を求める日本やオーストラリアなどとの間には開きがあった。

 こうした対立を踏まえ、各国は新興国に配慮して自由化率の目標達成までの猶予期間を設けることなども検討。トランプ米政権の保護主義化を受け、連携強化を急ぐべきだとのムードもあったが、意見の隔たりは埋めきれず、世界経済の3割を占める巨大経済圏創出への動きにブレーキがかかった。(大柳聡庸)

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