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ソフトバンク戦略に影 サウジ政府系ファンド出資

ソフトバンクグループの孫正義氏=東京都千代田区(酒巻俊介撮影)
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 サウジアラビアの記者、ジャマル・カショギ氏がトルコのサウジ総領事館で死亡した事件はソフトバンクグループの投資戦略にも影を落としている。ソフトバンクは10兆円ファンドとして注目される投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」をサウジ政府系ファンドと組成しているためだ。欧米企業がサウジマネーの受け入れを敬遠し、ソフトバンクの投資戦略が滞る可能性もあり、孫正義会長兼社長の判断に注目が集まる。

 昨年5月設立のSVFは各国のIT企業でソフトバンクのグループを形成する「群戦略」の重要な資金源だ。「人工知能(AI)がすべての産業を再定義する」とする孫氏はSVFを通じ、AI関連を中心に約30社に投資している。

 SVFにはソフトバンクが約3兆円を出資。サウジ政府系ファンドは約5兆円を出資しているとみられている。孫氏はサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と投資戦略の方向性で意気投合したといい、昨年3月のサルマン国王との会談後、「SVFを通じてサウジを大いに繁栄させていく話をした」と述べた。

 孫氏は事件以降、投資戦略について沈黙していたが、株式市場は事件がソフトバンクの投資に悪影響を与える可能性を懸念して敏感に反応。株価は終値で23日まで4営業日連続で下落し、孫氏は23日開幕のサウジアラビアの投資会議での講演を取りやめた。

 今後の投資戦略についてソフトバンク関係者は「SVFがサウジマネーをロンダリング(洗浄)しているかのようにみなされる事態になってしまった」と指摘。「欧米IT企業はSVFからの出資を敬遠する可能性があり、投資戦略の見直しという経営方針の大きな転換も必要になる」としている。(大坪玲央)

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