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【リーマン10年 危機後の世界】(3)中国台頭、揺らぐ世界秩序 金融リスク「10年前の米国より高い」

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 象徴的なのは高速鉄道網の建設で、全土の地方政府も関与し、わずか10年足らずで総延長2万5千キロもの路線を作った。だが、その大半が鉄道事業で採算を度外視し、駅周辺の不動産開発で一獲千金を狙った。

 北京に駐在する大手商社の幹部は「内陸のみならず大連周辺など東北も、最近では高速鉄道は空席ばかりで運行本数は減り続けており、駅周辺の不動産開発は新たなゴーストタウンを作っただけ」と酷評する。

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 「リーマン・ショックがなければ中国の台頭はあと5年は遅れただろう」。北京の政治学者はこう指摘する。緊急経済対策は金融リスクの遠因となったが、中国を世界第二の経済大国に押し上げる原動力となったのも事実だ。

 中国はリーマンから2年後の10年にはGDPで日本を一気に追い抜き、軍事力や国際的な政治発言力も強めながら、この10年で米国に比肩する存在になった。

 だが、存在感を高めた中国が国際秩序を揺るがす波乱要因となっている側面は否めない。リーマン直後の08年11月、世界的な景気後退への対応策を話し合うためにスタートした20カ国・地域(G20)首脳会議では米国など先進国と中国の利害が対立する場面も多く、今ではG20の存在意義を問う声すら上がっている。

 さらに12年に中国共産党総書記に就任した習(13年に国家主席も兼務)は「強国路線」を掲げ、これにトランプ米政権が警戒感を強めていることが、米中の貿易摩擦の一因となっているとの見方もある。「覇権主義」を膨らませる中国に、リーマン後の世界は、どう向き合うかが問われている。(敬称略)

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