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【リーマン10年 危機後の世界】(1)幸福とは何か…変化した価値観と変わらぬ格差

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 価値観の変化は、混乱の渦中にいた真鍋邦大(くにひろ)(40)も感じた。真鍋は10年前、リーマン・ブラザーズ証券の社員だった。東京大大学院を修了後、「早く一人前になって稼ぎたい」と選んだ就職先。地銀などに国債や証券化商品を販売する営業マンとして、4年目で100億円単位のお金を動かすようになり、十分な収入も手に入れていた。

 だが、会社の破綻後、香川県の実家で1カ月ほど暮らすと、地元では時間がゆっくりと流れ、人々は子供や家族と過ごす時間を大切にしていた。「地方は疲弊していると思っていたのに、むしろ幸せそうだ」と感じた。

 その後も、いったんは外資系証券会社に再就職するが、24年に退職。小豆島を拠点に四国の食に関する情報を発信しながら農産物を販売する事業などを手がけ始めた。年収は当時の5分の1程度に減少したが、「笑顔にできる人の数は比べものにならないほど増えた」と話す。

 博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーの原田曜平は指摘する。「頑張っても見返りは限定的と考え、車や高額商品へのあこがれはない。それでも幸福を感じている。そんな若者が今後も増えていくにちがいない」(敬称略)

 米証券大手リーマン・ブラザーズが経営破綻し、世界同時不況を引き起こしたリーマン・ショックから25日で10年を迎える。未曾有の危機がもたらした世界の変化を追った。

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