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内部留保、リーマン後10年で200兆円膨らむ 日銀の「出口」見えず

設備投資は過去最高を更新したが、内部留保は積み上がる一方で賃上げにはつながっていない
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 平成29年度の法人企業統計では企業の内部留保が過去最高を更新し、リーマン・ショック後10年間で200兆円近く膨らんだ。景気拡大が続いても企業の防衛意識は根強く、賃上げに慎重で物価も伸び悩む。日本銀行は景気の下支えを続けざるを得ず大規模な金融緩和の「出口」は見えない。

 「実体経済の強さに比べ賃金・物価の上昇はやや弱めだ」。日銀の黒田東彦総裁は、企業の業績回復と景気拡大が思うように賃上げや物価上昇に結びつかない現状に懸念を漏らす。

 米欧の中央銀行は金融危機を克服するため大量のお金を市中にばらまいた大規模緩和の正常化を既に開始した。ただ、日本企業は金融危機の苦い経験がトラウマとなり、将来の景気後退に備え利益を内部留保に回す傾向が強く、日銀だけが出口に踏み出せずにいる。

 大規模緩和が長引くことで金融機関の収益力悪化など副作用も蓄積される。日銀は7月の政策修正で金利上昇を一定程度容認する副作用対策を打ち出したものの、緩和の長期化に向けた時間稼ぎで物価上昇には直結しない。企業のデフレ心理を解消しなければ、日本経済にとってのリーマン・ショックは終わらない。

(田辺裕晶)

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