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【高論卓説】「米中貿易戦争」による円高リスクを警戒すべし 田巻一彦氏

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【高論卓説】
「米中貿易戦争」による円高リスクを警戒すべし 田巻一彦氏

輸出向け電子製品を中国貴州省で生産する台湾企業の工場=5月(共同) 輸出向け電子製品を中国貴州省で生産する台湾企業の工場=5月(共同)

 今年後半の世界経済は、「米中貿易戦争」に代表される政治リスクの圧力を受け、成長率が下方屈折する可能性が高まるだろう。リスクオフ(回避)心理が強まり、株から債券へのマネーシフトや米長期金利の低迷などとともに、米利上げペースの緩和が表面化する可能性がある。日本から見れば、今年前半に比べ、円高圧力が高まりやすくなるかもしれない。米長期金利がリスクの高低を測る体温計になると予想する。

 国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は6月21日、米国の鉄鋼・アルミニウム輸入制限に端を発する世界の貿易摩擦に加え、結論に達していない英国の欧州連合(EU)離脱交渉、イタリアなどの財政支出拡大計画に対する市場の動揺など、ユーロ圏の成長リスクが高まっていると指摘した。

 独自動車大手のダイムラーは6月20日に2018年の業績見通しの下方修正を発表した。少しずつ、実体経済への影響が出つつある。

 米中は相互に追加関税を掛け合う「貿易戦争」に発展。日本では中国からの受注が減少し、日本経済に悪影響を与えかねないとの懸念が政府内で浮上している。

 米国の10年長期国債利回りは5月中旬に3%台に乗せていたが、その後は不透明な先行きを反映し、じりじりと水準を切り下げてきた。好調な米経済やコスト転嫁の動きがようやく表面化して、米消費者物価も堅調さを取り戻し、米連邦準備制度理事会(FRB)は今年9月と12月に利上げするとの市場の観測が高まっている。

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