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大衆魚が高級魚? サンマ不漁続きで今年も高値か 卸売価格は10年で2倍超

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大衆魚が高級魚? サンマ不漁続きで今年も高値か 卸売価格は10年で2倍超

銚子漁港に初水揚げされるサンマ=平成29年10月6日、千葉県銚子市 銚子漁港に初水揚げされるサンマ=平成29年10月6日、千葉県銚子市

 5日閉幕の北太平洋漁業委員会(NPFC)の会合でサンマの漁獲枠設定の協議が決裂し、サンマの資源量減少の歯止めに不安が残った。庶民も気軽に楽しめる「秋の味覚」の代表格であるサンマはこのところ不漁が続き、卸売価格はこの10年で2倍超に膨らんでいる。大衆魚が高級魚になれば、日本中の食卓にショックが走りそうだ。

 東京都中央卸売市場によると平成29年のサンマの平均取引価格は1キロ=676円。過去10年間でサンマの取扱数量は6割減、価格は2倍超となった。今年の漁期は夏以降だが、同様の高値となる懸念がある。

 「サンマが近くに寄ってこないんですよ」。北海道漁業協同組合連合会の関係者はため息をつく。

 北海道では今年、通常より1カ月遅いお盆明けからの操業を予定。例年は7月中旬から近海で刺し網漁を始め、8月からは沖合での棒受け網漁に移るが、最近は近海にサンマが少なく、刺し網漁は厳しいという。

 漁が回復しなければサンマの安定確保は難しくなる。サンマ料理専門の居酒屋「駒八目黒さんまセンター」(東京都品川区)では、北海道から独自に仕入れるサンマの価格が昨年より1割高くなったという。

 それでも同店は焼きサンマ(680円)など全商品の価格を5年間連続で据え置いている。運営会社、駒八グループの八百坂仁社長は「お客さまをがっかりさせないよう焼きサンマには脂の乗った大きい魚を使う。揚げ物やたたきには小さく安いサンマを使い、全体で利益が出るようにしている」と話す。

 日本は伝統的に近場でサンマを取ってきたが、19年からは遠く離れた公海でも操業。昨年の漁獲量の約2割は公海での漁だ。漁業関係者からは「不漁が続けば、公海での操業を増やすしかない」との声が出る。

 昨年はスーパー各社が仕入れや販売で苦心し、イオンは冷凍サンマの塩焼きや干物などの加工品を補強した。また昨年9月には宮城県気仙沼市の「海の市サンマまつり」が来場者に振る舞うサンマ2千匹を確保できず中止に追い込まれた。サンマの不漁は今年も同様の混乱を生む可能性がある。(米沢文)

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