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【東芝危機】米WD、東芝メモリ買収額を2兆円に引き上げ  将来の経営権めぐり調整難航も

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【東芝危機】
米WD、東芝メモリ買収額を2兆円に引き上げ  将来の経営権めぐり調整難航も

東芝メモリの売却をめぐる構図 東芝メモリの売却をめぐる構図

 さらに売却を困難にしているのが、東芝メモリの経営権をめぐるWDの姿勢だ。WDは東芝メモリの経営権取得をあきらめておらず、買収時の株式取得を断念しても、将来的な東芝メモリの合併を視野に入れている。

 WDはこれまで、東芝メモリの株式の過半取得に固執。一方、東芝はWDの半導体メモリー市場での影響力が強まるため、各国当局による独占禁止法の審査が長期化することを懸念してきた。

 日米連合関係者は、「WDが将来的にも少額出資か、ぎりぎり50%出資で譲る形なら、共同買収もあり得る」と指摘する。ただ、WDが従来の主張を取り下げ、株式取得ではない形で売却に参加する案を示しても、東芝は不信感を拭えない。

 着地点の前提がWD傘下であれば、日本企業の技術革新を投資目的として、日米連合を主導する革新機構も動きにくく、政府も容認できない。東芝が9日の会談後、「買収成立の確実性への懸念は払拭されなかった」とのコメントを発表したのも、こうした背景があるからだ。日米連合関係者も「話にならない」と切り捨てる。

 東芝はWDの再提案を確認した上で、15日にも東芝メモリ売却の優先交渉権を決めたい考えだ。2兆2千億円程度の好条件を示す米半導体大手のブロードコムが有力視されるほか、米ファンドのベインキャピタルと韓国SKハイニックスの連合、台湾の鴻海精密工業も巻き返しを狙う。

 政府内では、革新機構や政投銀を他陣営に乗り換えさせる案も取り沙汰されている。売却をめぐる動きには、なお曲折がありそうだ。

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