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ベトナム地下鉄受注、インフラ輸出の試金石 中韓など価格攻勢、技術の差別化カギ

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ベトナム地下鉄受注、インフラ輸出の試金石 中韓など価格攻勢、技術の差別化カギ

報道関係者に公開した巨大なシールド機の内部=25日、ホーチミン市のバーソン駅建設現場(臼井慎太郎撮影) 報道関係者に公開した巨大なシールド機の内部=25日、ホーチミン市のバーソン駅建設現場(臼井慎太郎撮影)

 インフラ輸出を成長戦略の柱に掲げる安倍晋三政権にとって、日本のゼネコンによるベトナム初の地下鉄工事は、技術力や施工品質の高さを示す“試金石”となる。中国を筆頭に、アジアのインフラ市場を取り込む各国の動きが激しさを増す中で、日本は武器となる高い品質をいかにアピールするかが問われる。

 アジア開発銀行(ADB)の試算によると、2016~30年のアジアのインフラ需要は26兆ドル(約3千兆円)を超える見通しだ。日本国内は人口減少により国内市場が縮小する中、政府は成長戦略で平成22年に年間10兆円だった海外からのインフラ受注を、32年には約30兆円と3倍に拡大する目標を掲げた。

 清水建設も売上高の海外比率を2割まで高めようと、ベトナムだけでなく、建設が見込まれるミャンマーなどにも熱視線を向ける。インドネシアの首都ジャカルタの都市高速鉄道(MRT)建設工事も受注しており、アジアでの足場を着々と築きつつある。

 ただ、巨大市場をめぐる競争は激しい。清水建設国際支店の河合信之所長は「政府開発援助(ODA)を活用した案件では日本が優位だが、(韓国や中国などに)価格競争で勝つのは難しい」と、インフラ整備をめぐる競争の現状を打ち明ける。特に現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」を掲げる中国は、今後も攻勢を強める。

 日本が勝ち残るカギは、過密な都市環境で培われた難易度の高い技術の磨き上げだ。大林組もニュージーランドで総重量2500トンという世界最大級のシールド機を稼働するなど差別化を図る。河合氏は「当たり前の技術はまねされる。日本しかできない技術や新しいアイデアで勝負する」と述べた。(臼井慎太郎、佐久間修志)

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