記事詳細
【ヤマト全面値上げへ】
ビジネスモデルは限界… 元運転手「昼食はチョコレート」
しかも取扱個数の増加は宅配事業者の利益につながっていない。ネット通販事業者が時間帯指定や当日配送などのサービスを拡充した分、配送効率が下がり、利益を圧迫するためだ。荷物が集中した28年10~12月は外部委託費などがかさみ、ヤマトホールディングスの営業利益は前年同期比で約69億円の減益だった。
石井啓一国土交通相は「深夜に頼めば翌日届くようなサービスもあり、物流業者に相当の負担がかかっている」と指摘する。また現在調査中の未払い賃金により、業績がさらに悪化する懸念もある。
■無料のハードル上昇
今後の焦点は最終的な値上げ幅とネット通販事業者側の対応に移る。
ヤマト側は大口事業者に対し、配送運賃を値上げするほか複数商品をまとめて送るなど、発送方法の改善も求める考えだ。事業者ごとの再配達データも示しながら交渉を進めるとしており、SMBC日興証券の金森都シニアアナリストは「送料無料になる購入金額の水準を引き上げる事業者も出てくる」と分析する。