産経ニュース

【平成30年史 第2部 イノベーションとiモード(1)】「携帯とネットでなんかするみたいよ」 ニッポン発の〝革新〟誕生と挫折の軌跡

ニュース 経済

記事詳細

更新

【平成30年史 第2部 イノベーションとiモード(1)】
「携帯とネットでなんかするみたいよ」 ニッポン発の〝革新〟誕生と挫折の軌跡

携帯電話であらゆる情報を-。現在の「当たり前」を生み出した中心メンバーは榎啓一、夏野剛、松永真理(上から時計回り)の異なる才能を持った3人だった 携帯電話であらゆる情報を-。現在の「当たり前」を生み出した中心メンバーは榎啓一、夏野剛、松永真理(上から時計回り)の異なる才能を持った3人だった

 平成28年11月、「iモード」の文字が久しぶりに新聞の見出しを飾った。スマートフォンが主流となり、NTTドコモがiモード対応の携帯電話の出荷を年内いっぱいで終えるというニュースだった。

 「寂しいとは思うが、イノベーションは起こせた。(スマートフォンに)応用されたり、残っていたりしている。なくなったという感覚はない」

 iモードのサービス開発のため、リクルートの女性向け就職情報誌「とらばーゆ」の編集長から転身した松永真理(62)は振り返る。

 「ガラパゴスともいわれるが、iモードは誇るべきコトだったと思う」

■  ■  ■

 9年1月8日、ドコモの栃木支店長だった榎啓一(67)は、東京・虎ノ門の本社社長室に呼び出された。

 この日、NTTは消費税の5%化を前に、課題となっていた公衆電話の料金について10円のまま通話時間を短くする方針を発表し、翌日の新聞も大きく報じていた。

 ドコモの社長、大星公二(84)は、榎に本社の法人営業部長への異動を告げるとともに、「これをやってくれ」と資料を差し出した。

 「携帯ゲートウェイ」

 携帯電話に有料情報を流し広告収入も得る。コンサルティング会社が提案した、iモードの原形となるビジネスモデルだった。法人営業との二足のわらじ。「携帯ゲートウェイ」事業に部下はいない、社内公募で集めろ、外部採用もOK…大星はそう付け加えた。

 「ラッキーだ。9割は当たる」。榎は直感した。自宅では高校生の娘がポケベルで楽しそうに友人とメッセージをやりとりしていた。「こういう機能をうまく作れば使ってもらえる」

続きを読む

「ニュース」のランキング