産経ニュース

ニュース 経済

記事詳細

更新


東芝、米原発部品会社の買収断念 巨額損失で軌道修正

 東芝は20日、米原子力子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)による米原子力発電所向け部品会社の買収をとりやめると発表した。米原子力事業で巨額の損失を計上する見通しとなり、自己資本を大きく毀損(きそん)することから、資金流出を伴う買収は適切でないと判断した。

 東芝は昨年10月、米電気設備メーカー「AZZ」から子会社の原発向け部品会社「ニュークリアーロジスティクス(NLI)」を買収することで合意。買収額は非公表だが、昨年12月までの買収完了を目指していた。

 米国では運転中の原発の設備更新で部品の交換ニーズが高まっている。部品大手のNLIは、WH製以外の部品も多く取り扱っており、東芝は買収で原子炉だけではなく、関連する部品交換などのサービス事業を強化する狙いだった。

 買収はとりやめるが、新たに原発向け部品事業で協業契約を結んだ。部品のノウハウを取り込むことで、サービス事業は引き続き強化する方針だ。

 東芝はグループで世界の原発のトップシェアを握る。だが、平成23年の東京電力福島第1原発事故以降、世界で原発建設の需要が落ち、安全対策などで事業の採算性も悪化。一方、運転中の原発では設備更新による部品交換が定期的に生じるため、サービス事業では安定的な収益を見込みやすい。米原発事業をめぐる巨額損失によって、軌道修正を余儀なくされた格好だ。

「ニュース」のランキング