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日EUのEPA交渉、農産品開放に与党反発も 首席交渉官会合、年内合意目指す

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日EUのEPA交渉、農産品開放に与党反発も 首席交渉官会合、年内合意目指す

 政府は12日、日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉に関する首席交渉官の協議が、東京都内で始まったと明らかにした。目標に掲げる年内の大筋合意に向け、農産品の市場開放などで歩み寄れるかが焦点になる。ただ、国内では与党から、豚肉や乳製品といった農産品の保護を強く求める声が上がっている。

 首席交渉官会合は数日にわたり非公式で行われる見通し。進展があればマルムストローム欧州委員(通商担当)が来日し、閣僚会合が開かれる方向だ。

 トランプ次期米大統領が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)から離脱する意向を表明し、世界各地で保護主義の台頭に懸念が強まるなか、日本とEUはEPAを早期に妥結して反転攻勢につなげたい構え。来年は4月にフランス大統領選、9月にドイツ連邦議会選など欧州で選挙が相次いでおり、合意が後ずれするほど重要な政治決断が難しくなるため、双方は意見集約を急いでいる。

 EPA交渉では、EU側が豚肉やチーズ、パスタ、ワインなど農産品、加工食品の関税撤廃や削減で日本に譲歩を求める。また、日本政府や地方自治体の物品調達、鉄道市場の開放、著名な産地名を知的財産として指定する「地理的表示(GI)」の保護強化などでも対応を求めている。

 これに対し、日本側はEUが自動車に課す10%の関税撤廃が最重要課題だ。EUは農産品などの市場開放で日本が譲歩すれば早期撤廃の用意があると伝えているもようだ。

 一方、日本の国内農家からは対EUの関税を撤廃すれば欧州から安価で高品質な農産品が流入するとの懸念が強い。自民党が12日開いた農林関係の会合では、参加した議員から、豚肉やチーズなどの関税撤廃について強い反対の声が上がった。

 TPPでも自民党や衆参の農林水産委員会がコメや牛・豚肉など農産品重要5分野を聖域扱いするよう決議している。自民党幹部は「期限を切ると負ける。年内合意を至上命令にして安易に妥協すれば、弊害を生む」とEPA交渉を牽制(けんせい)した。

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