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【主張】
JR赤字路線 地方交通の将来像考えよ

 経営不振のJR北海道が「自力では維持できない」として10路線13区間の運営見直しを表明した。利用客が極端に少ない札沼線などの3区間は廃止するという。

 沿線人口の減少が止まらず、道内路線の収支はほぼ赤字に陥っている。台風などで被災した線路の復旧負担も重い。厳しい経営環境を考えれば、廃線もやむを得ない選択肢といえよう。

 一方で公共交通機関の役割も忘れてはならない。路線を廃止する場合でも地元と協力し、バスなどで地域住民の移動手段の確保に努めるのは当然の責務である。

 少子高齢化に伴い、地方鉄道網の維持は全国的に難しくなっている。政府は鉄道会社や地元に委ねることなく、地方交通の将来像を示してもらいたい。

 昭和62年の国鉄の分割民営化では、1日1キロ当たりの輸送人員が4千人未満の路線は原則廃止とした。今回の運営見直しは、同社路線の約半分にあたる1200キロ強に及ぶ。廃線を提案した3区間の輸送人員は、いずれも200人を下回るという。

 他の見直し対象でも自社での維持は困難として、地元が線路や施設を買い取る「上下分離方式」での運営などを自治体に提案する。運賃値上げや利用客が少ない駅の廃止も検討するという。

 こうした見直しにあたっては、地元との丁寧な話し合いが欠かせない。広島と島根を結ぶ三江線の廃止を決めたJR西日本は、地元協議に5年をかけた。地域住民の理解を得るには、経営のさらなる合理化も求められよう。

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