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【正論】人工知能(AI)技術で大量失業時代は到来するか? 恐怖を喧伝するオオカミ少年になるな 大阪大学名誉教授・猪木武徳

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【正論】
人工知能(AI)技術で大量失業時代は到来するか? 恐怖を喧伝するオオカミ少年になるな 大阪大学名誉教授・猪木武徳

猪木武徳・大阪大学名誉教授 猪木武徳・大阪大学名誉教授

 人工知能(AI)の性能向上がクローズアップされ、人間の労働と生活への影響をめぐる臆測が、学界やメディアを賑(にぎ)わしている。この素朴な問題関心は、過去に何度も立ち現れ、その都度人々の希望と不安をかき立ててきた。

 労働が高度の自動機械に代替されるにつれ、生活環境が変わるだけでなく、人間への理解も多大な影響を受ける。技術はとかく神秘化されがちな人間と自然、人間と社会の関係を合理的な視点から脱神秘化していくからだ。

 ≪人間に求められるのは判断力≫

 経済的側面に限ると問題はふたつの論点に分けられる。ひとつは人間にとって最終的に残るのはどのような活動なのか、という労働の内容や「質」にかかわる問題。もうひとつは、労働需要が将来劇的に減少して、大量失業が不可避になるのかという「量」に関する問題である。

 最近、この「質」に関する面白いニュース報道があった。日本将棋連盟が、将棋の公式戦で棋士が対局室にスマートフォンなどの電子機器を持ち込むことを規制する方向で検討を始めたという。対戦中の棋士が、休憩時間にトイレなどで「次の一手」を見ることを防ぐためらしい。確かに近年、将棋ソフトは実力棋士と互角に戦えるようになった。実際、電王戦の勝敗結果を見ると棋士がソフトに負け越している。

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