産経ニュース

【日曜経済講座】マイナス金利をどう生かすか 政府は緊縮財政転換の合わせ技を 編集委員・田村秀男

ニュース 経済

記事詳細

更新

【日曜経済講座】
マイナス金利をどう生かすか 政府は緊縮財政転換の合わせ技を 編集委員・田村秀男

 マイナス金利の恩恵はまず政府に回る。平成28年度の日本国債の利払い費は長期金利を1・6%と想定して9兆9千億円を見込んでいるが、金利が1%低くなるだけで約1兆円が浮く計算になる。マイナス金利だと、売値が額面より高いので、政府には発行益が入る。いいことずくめだ。

 民間への影響はどうか。大手銀行各行はすでにゼロ・コンマ2桁台の預金金利を見直し、定期預金を一律0・025%(みずほ銀行の場合)まで下げたが、マイナスには踏み切れない。家計は預金して金利や手数料を取られるなら、タンス預金にするなど現金を保有したがるだろう。すると、銀行預金が大幅に減る恐れが生じ、銀行機能が大きく損なわれる。

 グラフは国内銀行の平均貸出金利の推移である。

 昨年末には長期、短期とも金利は下げ止まり、反転しかけていた。26年4月の消費税率引き上げ後、家計消費は低迷を続け、企業の設備投資は減速傾向にある。27年度の実質経済成長率は26年度に続き、2年連続でマイナスになりかねない情勢だ。そんな情勢の中で、貸出金利が上昇を続けるならアベノミクスは不発、日本経済は再びデフレ不況のふちに沈んでしまう。

このニュースの写真

  • マイナス金利をどう生かすか 政府は緊縮財政転換の合わせ技を 編集委員・田村秀男
  • マイナス金利をどう生かすか 政府は緊縮財政転換の合わせ技を 編集委員・田村秀男

「ニュース」のランキング