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減額?増額?「思いやり予算」日米で綱引き激化

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減額?増額?「思いやり予算」日米で綱引き激化

 在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)をめぐる日米両政府の綱引きが激化している。平成28年度以降の負担について、日本は厳しい財政状況などを勘案し減額を要望。これに対し米国は国防費を減らす中で3割程度の増額を求めており議論は平行線をたどっている。両国は年末までに結論を得る見込みだが、調整は難航する恐れもある。

 日米両政府は7月、思いやり予算に関する協議に入った。5年ごとに見直す特別協定が28年3月に期限を迎えるためで、新たな協定に向け、年末の予算案編成までに決着させる考えだ。

 現在までの交渉で、日本は27年度予算に計上した1899億円より減額するよう米国側に提案した。安全保障関連法の成立で、国防を米国に一方的に頼る構図が緩和されると判断したためだ。さらに28年度は財政健全化計画の初年度で、歳出改革が最重要課題であることも減額の主張を後押ししている。

 日本は娯楽施設を含む基地内で働く従業員の給与や、協定の枠外となっている基地・住宅にかかる提供施設整備費などの負担を抑える意向だ。予算の削減分を島嶼(とうしょ)防衛力強化などにあてる考えだ。

 これに対し、米国は日本に負担増を求める。米国が世界的に国防費を引き締めているからだ。

 思いやり予算は昭和53年度、急速な円高の進展などを背景に、日本が米国の労務費などを負担したのが始まりだ。平成11年度に計上した2756億円をピークに、日本の財政悪化などから減少していたが、27年度は微増に転じていた。

 こうした中で、日本の外務省や防衛省からは「日米の協力関係に影響する」と減額に慎重な声も浮上している。

(中村智隆)

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