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【東芝不正会計-歪みの代償(上)】「業績至上」生んだトップの確執 「財界総理」固執が発端か

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【東芝不正会計-歪みの代償(上)】
「業績至上」生んだトップの確執 「財界総理」固執が発端か

 「なぜ、そんなことができないんだ。できないなら辞めてしまえ」

 東芝本社で開かれていた「社長月例」と呼ばれる会議に、佐々木則夫社長(当時)の怒声が響いた。

 同会議は各カンパニーや子会社のトップが社長に業績の進捗(しんちょく)を報告する場。社長時代に佐々木副会長が部下を糾弾する光景が当たり前になっていった。当時、会議に同席した幹部は「(佐々木氏は)完全に常軌を逸していた」と証言する。

 社長月例は2時間程度行われ、各事業の責任者1人当たり20分の持ち時間が与えられている。早い場合は5分で終わるが、「佐々木氏はカンパニー長を1時間締め上げていたこともあった」(前述の幹部)。

 社長月例は、東芝元社長で名経営者として知られる土光敏夫氏の時代から行われていた。経営実態を把握するための会議は本来の目的から変質。佐々木氏の叱責を避けるため、カンパニー側は無理を承知で利益水増しに手を染め、会議は事実上、会計操作を指示する舞台となってしまった。

 第三者委員会は平成20年度から26年4~12月期までに西田厚聡相談役、佐々木副会長、田中久雄社長の3代にわたり経営トップの指示で組織ぐるみの利益水増しが行われていたと認定した。だが、歴代の経営トップがなぜ、利益水増しに走ったかは言及していない。

 リーマン・ショックの影響で、東芝は収益の柱の半導体事業が低迷し、20年度の決算に3435億円の最終赤字を計上。当時社長だった西田氏は責任を取る形で、21年6月に佐々木氏に後を託した。

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