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新興航空は「ANA連邦」に…空の「第三極」風前の灯 自由化政策、漂う行き詰まり感

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新興航空は「ANA連邦」に…空の「第三極」風前の灯 自由化政策、漂う行き詰まり感

航空会社「スカイマーク」の経営再建について会見前にお辞儀をする、左からスカイマーク・有森正和社長、同・井出隆司会長ら=22日午後、東京都千代田区の国交省(宮崎瑞穂撮影)

 スカイマークが新たなスポンサーにANAホールディングス(HD)を選んだことで、スカイマークが担ってきた国内航空会社の運賃競争を促す「第三極」としての役割は風前の灯となった。全日空と日本航空の2強への対抗軸を育てる、という航空市場の自由化政策にも行き詰まりの感が漂う。

 「独立を維持し、第三極を保つ」

 22日の会見で、スカイマークの井手隆司会長はこう強調した。同様にANAHDの長峯豊之上席執行役員も「スカイマークは独立した事業運営が続く」と述べるなど、出席者は「独立性」「第三極の維持」という言葉を繰り返した。

 だが、これを額面通りに受け取る向きは少ない。出資検討中の三井住友銀行などは、ANAと共同歩調を取る方針だ。ANA陣営だけで半数近い出資比率を握ることになり、経営への影響は避けられない。

 スカイマークなど新興航空会社の誕生は、政府の規制緩和のたまものだ。2強の寡占市場に風穴を開ける狙いは当たり、一部路線での運賃引き下げにつながるなど一定の効果を上げた。

 だがエア・ドゥなど新興航空会社の多くは、競争に耐えられず最終的にANAの出資を受け入れた。スカイマークは唯一の第三極として「低コスト・低運賃」を武器に拡大路線を進めたが頓挫した。新興航空会社は今や「ANAの連邦国家」(関係者)の様相だ。

 国土交通省幹部は「格安航空会社(LCC)も第三極だ」と強弁する。だが、台頭著しいLCCもほとんどは2強の傘下にある。国はANAの出資を期限付きとし、再上場したスカイマークを再び第三極として“離陸”させる思惑だが、弥縫(びほう)策の感は否めない。わが国の航空政策も再出発を迫られている。(田端素央)

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