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【きょうの人】ホンダ「S660」開発責任者、椋本陵(むくもと・りょう)さん(26) 歴代最年少の開発者「『ホンダっていいね』のきっかけに」

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【きょうの人】
ホンダ「S660」開発責任者、椋本陵(むくもと・りょう)さん(26) 歴代最年少の開発者「『ホンダっていいね』のきっかけに」

椋本陵さん(宮川浩和撮影)

 ホンダが2日、発売した軽自動車の新型スポーツカー「S660」の開発チームを率いた。同社としては歴代最年少の開発責任者だ。「『こんなスポーツカーが作りたい』というエンジニアの夢から生まれた車」と、作業着姿の若き技術者は喜びを隠さない。

 約12キロの通勤路でさえ、運転する幸せをかみしめるという車好きだ。小学3年生の時、ホンダの創業者、本田宗一郎氏の伝記を読み憧れを抱いた。

 高校を卒業した平成19年にホンダ入社。22年に本田技術研究所の50周年記念の新商品コンペで軽のスポーツカーを提案し、グランプリを獲得した。軽へのこだわりは「維持がしやすく、身近なスポーツカーであれば末永く愛される車になる」との考えからだ。

 事業化が決まり、入社4年目の若手ながら責任者に指名された際は「まじか!と思った」と笑う。若手を中心にメンバーを公募し、ベテラン研究員2人が責任者代行として、チームの脇を固めた。

 だが、チーム発足直後に東日本大震災が発生。拠点とする栃木県の同研究所四輪R&Dセンターも甚大な被害を受けた。作業場所も十分に確保できず、テストコースも使えない中でメンバーが一丸となり、議論を重ねた。「情熱のあるメンバーやベテランに支えられ、開発を進めることができた」と振り返る。

 ホンダはリコール(回収・無償修理)問題で揺れた。それだけに「『ホンダっていいね』といわれるきっかけになれば」と力を込める。若手の夢を形にしたS660は、自社“復活”も背負って走り始める。(松岡朋枝)

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