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【日本の議論】親族と縁切れた元労働者たちの死 「山谷」につくられた共同墓地

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【日本の議論】
親族と縁切れた元労働者たちの死 「山谷」につくられた共同墓地

「山友会」の事務所に掲げられた遺影を見つめる同会理事の油井和徳さん=東京都台東区

 東京都の台東、荒川の両区にまたがり、かつては「日雇い労働者の街」として知られた山谷地区。そこで暮らしている、親族とも縁が切れた身寄りのない元労働者のための共同の墓が、同地区の寺に建てられた。「無縁仏にならず、亡くなってからも仲間とつながっていてほしい」との思いから、NPO法人が計画し、支援者からの寄付によって実現した。2月上旬には元労働者2人の遺骨が納められた。

 「30年前からの夢が、やっとかなった」。同地区で無料診療や炊き出しなどを行っているNPO法人「山友会」代表のカナダ人、ルボ・ジャンさん(70)は、しみじみと語った。

 宣教師として約40年前に来日したジャンさんは、30年ほど前から同会の活動に参加。時間があるときは同会事務所前で、会に通う人と談笑する。「山谷は雰囲気がいいし、おじさんたちは飾り気なくて話しやすい」とジャンさんは笑う。

 以前は、高度経済成長期の建設ラッシュを支える日雇い労働者たちでにぎわい、簡易宿泊所が次々と建てられた同地区。しかし、労働者たちの高齢化が進み、宿泊所の大半の長期滞在者は、生活保護を受ける高齢者だとされる。

 さまざまな理由で故郷とは疎遠となった人が多く、身寄りのない人が亡くなると、遺骨は無縁仏の墓がある寺に納められている。

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