産経ニュース

【話題の肝】「アマゾンでウチの本は売らない」巨人に立ち向かう小規模出版社の“矜持”

ニュース 経済

記事詳細

更新

【話題の肝】
「アマゾンでウチの本は売らない」巨人に立ち向かう小規模出版社の“矜持”

記者会見で、アマゾンへの本の出荷を停止したと明らかにした晩成書房の水野久社長(右)と緑風出版の高須次郎社長(中央)ら=平成26年5月、東京都文京区

「やればできる」を実証したアマゾン

 「再販制度によって、日本のどこでも同一価格で出版物を購入できる」「版元が決めた価格が守られるから、売れにくい専門書を含めた出版の多様性が保たれる。それは文化水準の維持・発展に欠かせない」-。活字業界で言われる再販制度の意義だ。ただ、その大義のために、自社の売り上げが減っても、出荷停止措置をとり続けられるのだろうか。

 「厳しいことは確か。でも多くの場合、本は似た商品で代えがきくものじゃない。『その本と似てるから、この本でいいか』とはならないですよね? その多様性を支えているのが再販制度だし、価格競争になれば、最終的に読者の文化的な利益が損なわれる」と晩成書房の水野社長は力を込める。

 出荷停止を表明した後、書店大手の有隣堂(横浜市)などが店頭で応援フェアを行い、東京都書店商業組合も3社などの姿勢に支持を表明。一方で、晩成書房には一般の人から「なぜアマゾンだけを敵視するのか?」というメールが届いたという。

 「敵視しているわけではありません。アマゾンは日本の出版界がおろそかにしてきたことをやった。例えばお客さんが書店に行く。でも欲しい本はその店にない。注文できてもいつ届くか、また版元に問い合わせればあるのか。それすら店頭ではすぐにわからなかった。それをアマゾンは数日、早ければ翌日に届けてくれる。やればできるということを実証したんです」

「ニュース」のランキング