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【貳阡貳拾年 第4部 食糧安保新時代(5)】自給率より「経済性」の向上 シンガポールから学ぶこと

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 ハウスの中に足を踏み入れた途端、30度を超す外の熱気が消え、涼しい風が流れた。高さ9メートル、32段のタワー式のアルミラックが、水車の力でゆっくりと回転し、びっしりと並んだ苗に日光を浴びせる。常夏のため、温度管理は外気調整だけ。電力を必要とするのは雨水と地下水をくみ上げるポンプくらいだ。

巨大な野菜工場

 シンガポール北部のリム・チュー・カン地区。ジョホール水道を挟んでマレーシアに面するこの地域は、政府が農地集約を進めた一大農業エリアだ。

 この一画が今、巨大な「野菜工場」へと変身しつつある。世界初という垂直多段式のハウス栽培施設が2012(平成24)年から生産を開始。現在は600基が葉物野菜を出荷、来年中に全2千基が完成する。

 東京23区ほどの広さの島に540万人が暮らす都市国家シンガポールは、食料の9割を海外からの輸入に依存している。経済開発と人口増加で、農地も国土の約1%に縮小した。限られた土地の効率利用への試みの一つがこの垂直農法だ。

 運営会社のスカイ・グリーンによると、面積当たりの収穫量は通常農法の5~10倍で、生産コストは半分。小松菜に似たサイシンなど4種類を毎日、契約スーパーに出荷する。輸入物より割高だが、他の地場野菜より安く人気がある。

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