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【話の肖像画】旭化成フェロー・吉野彰(65)(5)独創性と蓄積で勝負

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自らが室長を務める吉野研究室で
自らが室長を務める吉野研究室で

 〈新興国メーカーの追い上げなどで国際競争が一層激しくなる中、日本企業が生き残っていくためには「技術力」の引き上げが欠かせない〉

 日本の材料メーカーには、韓国や中国のメーカーよりはるかに蓄積があります。事業化できた技術が1あるとすれば、たぶん失敗例は99あるでしょう。これはある意味、宝の宝庫。時代が移り変わり、あるタイミングで当初とは全然違う目的から見てみると、何十年も前に研究していたことが意外とつながってくる可能性があるからです。最新の情報だけで勝負しようとしたら、ライバルと同じ土俵で勝負せざるを得ません。日本の優位性の一つはこの蓄積にある。これを有効活用するのは一つの手でしょう。

 ただ、整理されていないことが多い失敗例のデータはアクセスするのが難しい。成功例のデータは研究段階からきれいに残されますが、失敗例のデータは担当者がいなくなると誰も面倒を見なくなり、古い紙の資料やらフロッピーに保存した資料やらがあちらこちらで眠ったままになってしまう。それらをどうやって引っ張り出してつないでいくかが問題でしょうね。

 これだけ国際競争が激しくなると、日本企業は先頭を切らないと勝てないと思うんです。二番煎じを狙っていては、三番煎じの人に間違いなくやられてしまう。グローバリゼーションとは基本的にまねされることです。いずれ(他社に)まねされるのだからまねされるような技術を作っていかなければなりません。でないと、世界標準にならないでしょう? ただし、まねされた分だけ見返りを得られる仕組みを構築する必要があります。

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