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【話の肖像画】旭化成フェロー・吉野彰(65)(2)「ロウソクの科学」が原点

 〈昭和41年、京大工学部に進学。教養課程で考古学にふれた経験は今も生きている〉

 大学では石油化学科に入りました。石油化学は当時の花形で、これから発展していく、時代の先端を行くような領域だったんですね。ただ最初の2年間は教養課程で、専門領域の講義はほとんどありませんでした。要するに、専門バカにならないよう教養を身につけるための期間です。それで、「化学とはできるだけかけ離れた領域のことをやろう」と考え、考古学の同好会に入って遺跡を調査してまわりました。

 今思うと、この経験が研究開発で非常に役に立っています。事実を謙虚に見つめ、あれこれ仮説を立てたり新たな発想を生み出したりするところが、自然科学と似ているんですね。それに、考古学は過去を探って歴史を正しく伝えていく学問領域。未来を予測するのに非常に参考になるのです。研究開発では5年後や10年後のニーズを予測してテーマを設定します。その際、現時点から未来を想像するのではなく、20年前や40年前に立ち返って現在を見つめ、その流れで延長線上に起こりうることを考えてみると、今後の展開が見えやすくなります。

 2020年東京五輪の開催後についても、1964年の開催後の歩みを振り返れば、五輪を契機に何が起き、その先日本がどうなるかがある程度予想できる。すると10年先、20年先に必要とされる製品や技術も見えてくるでしょう。(聞き手 豊田真由美)

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