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【翻弄された諫早干拓~開門期限あと半年】(1)菅元首相が残した時限爆弾

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【翻弄された諫早干拓~開門期限あと半年】
(1)菅元首相が残した時限爆弾

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 菅氏のトップダウンによる「上告断念」に地元自治体の関係者は腰を抜かした。一報を聞いた長崎県の中村法道知事は「国営事業として進められたのに一切相談・報告がなく、報道で初めて聞いた。大変遺憾だ」と吐き捨てた。

 そもそも控訴審の裁判長を務めた古賀寛判事は、法曹界では有名な“いわく付き”の人物だった。高齢者の生活保護基準2割引き下げを違法としたり、中国籍女性に生活保護の準用を認めるなど「リベラル判決」を連発し、上級審で判決が覆ったことも少なくない。

 開門を命じる判決でも、国の主張はことごとく退けられた。開門による干拓地農業などへの悪影響についても「立証されていない」とにべもなかった。

 それだけに政府内では「あまりに一方的な判決だ」「上告しなければ大変なことになる」との意見が大勢を占めた。中村氏も上告期限の平成22年12月21日、諫早市の宮本明雄市長や住民代表らとともに首相官邸を訪ね、「市民生活に大きな問題がある」と上告するよう切々と訴えた。

 だが、菅氏は「私が決断したことだ」とけんもほろろ。仙谷由人官房長官(当時)や鹿野道彦農水相(同)も上告を促したが、一切耳を貸さず、判決は確定した。開門期限は平成25年12月21日午前0時。菅氏が残した時限爆弾のタイマーはなお刻々と動き続けている。

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