東証一部、5日間で62兆円消える 新型肺炎にすくむ市場 - 産経ニュース

東証一部、5日間で62兆円消える 新型肺炎にすくむ市場

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で、各国で下落した株価指数などを表示するボード=28日午後、東京・八重洲
 新型コロナウイルスの感染拡大への恐怖が金融市場を支配している。28日も東京市場に始まって、韓国や香港市場も続落し、動揺が収まる気配はない。感染源の中国から地理的に遠い米国でも感染拡大への不安が高まったことが、投資家心理の悪化に拍車をかけている。
 投資家の不安心理の度合いを示すVIX指数の27日終値は39・16で、不安が強さを示す基準とされる20を大きく上回った。株式から資金を引き揚げ、利回りが比較的高い米国債などに移す動きが加速している。
 三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは「米国での感染拡大リスクが衝撃をもって受け止められた」と話す。
 東京証券取引所1部の時価総額はこの5日間で62兆円超が消えた。中には、株式を売って得た資金を現金のままで保有している機関投資家も出てきた。
 個人から資金を集めて株式などに投資する「ひふみ投信」を運用するレオス・キャピタルワークスは25日付で、ファンド全体に占める現金の比率を過去最大の30%弱まで引き上げたことをホームページ上で公表した。1月末時点は0・7%だった。
 同社の藤野英人最高投資責任者は「日本における感染の広がりがピークアウトすることと、世界での広がりが山場を過ぎたと確認できるまでは、不確実性が広がると見た方が適切だ」と説明している。今後の下げ相場で、再び買い進めていく考えだ。
 大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジストは「今後2週間程度で感染拡大が抑えられるかが、最大のポイントだ」と語る。週末から来週にかけて、米中で経済指標の発表が続くほか、3月3日には米大統領選の候補者争いの山場となる「スーパーチューズデー」も控える。金融市場は当面、波乱の展開が予想される。(米沢文)