パイオニア、ファンド傘下に 最大600億円増資 株価は急落

 
パイオニアのロゴ(ロイター)

 経営不振に陥っているパイオニアは12日、香港を本拠とする投資ファンド「ベアリング・プライベート・エクイティ・アジア」からスポンサー支援を受けることで基本合意したと発表した。ベアリングを引受先とする500億~600億円の第三者割当増資を実施する。パイオニアは今月下旬の借金返済期限を守れるかが焦点だったが、ベアリングからの資金調達により当面の危機をしのぐ。

 10月末までに正式契約を結ぶ。12月末までに増資し、ベアリングが筆頭株主になる。9月30日からの3カ月以内に臨時株主総会を開き、第三者割り当ての承認を求める。増資完了後も「パイオニア」ブランドは維持し、株式上場も当面の間は続ける方針だ。

 増資に先立ち、今月18日にベアリングから250億円の融資を受ける。今月下旬に133億円の借入金の返済期限が迫っており、今回の融資分を借り入れの返済に充てる。

 増資の新株発行の規模次第だが、ベアリングは相当数の株式を所有することになる。現在は三菱電機が筆頭株主で、NTTドコモが第2位。増資に伴う株式の希薄化懸念などから、12日の東京株式市場でパイオニア株は前日比12円安の117円まで売り込まれた。

 パイオニアの平成30年3月期連結決算は最終損益が71億円の赤字(前期は50億円の赤字)と2期連続の赤字となった。主力のカーナビとカーオーディオが、アプリで代替できるスマートフォンに押され、低迷しているのが主因だ。パイオニアは業績てこ入れに向けAV(音響・映像)機器から撤退するなど構造改革を加速してきた。ただ、6月に社長に就任した森谷浩一氏は5月の社長交代会見で「課題が山積しており、スピード感を持って大胆に決断を下したい」と述べており、危機を乗り切るために海外資本の救済をあおいだ。

 パイオニアは11月に新たな事業計画の骨子を公表する計画。カーナビなど既存事業の収益性を改善しつつ、自動運転関連など新たな事業を早期に収益化できるかが次の課題になる。(今井裕治)