米政府、北朝鮮ハッカーを訴追・制裁 バングラ中銀、身代金要求ウイルス事件など関与

 
 北朝鮮のパク・ジンヒョク容疑者(米連邦捜査局提供、AP)

 【ワシントン=黒瀬悦成】米司法省は6日、米映画会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメントを標的とした2014年11月のサイバー攻撃などに関与したとして、北朝鮮人ハッカーのパク・ジンヒョク容疑者を訴追したと発表した。司法省によると、北朝鮮政府が主導したサイバー攻撃に関わりのあるハッカーを訴追するのは初めて。

 財務省も同日、パク容疑者と勤務先の北朝鮮政府系フロント企業「朝鮮エキスポ」を制裁対象に指定した。米国内の資産が凍結され、米国人との取引が原則禁止される。

 司法省によると、パク容疑者はプログラマーとして北朝鮮のハッカー集団「ラザルス・グループ」に所属し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長(当時は第1書記)暗殺を題材にした喜劇映画を公開しようとしていたソニー・ピクチャーズにサイバー攻撃を仕掛けた。

 加えて、16年2月にバングラデシュ中央銀行から8100万ドル(約90億円)が不正電子送金で窃取された事件と、17年5月に世界150カ国以上で数十万台のパソコンが被害を受けた、身代金要求型ウイルス「ワナクライ」を使ったサイバー攻撃にも加担したとしている。

 16~17年には航空機大手ロッキード・マーチンなど複数の米企業のシステムへの侵入を図ったという。

 ソニー・ピクチャーズへの攻撃をめぐっては、米政府は北朝鮮の関与を早い段階で断定し、15年1月に同国の対外情報・工作機関の偵察総局などに対する制裁を発動している。