「社会保障費の伸び 6000億円から極力抑制」 31年度予算で岡本薫明財務次官 - 産経ニュース

「社会保障費の伸び 6000億円から極力抑制」 31年度予算で岡本薫明財務次官

インタビューに答える岡本薫明財務事務次官=27日、東京・霞が関の財務省(酒巻俊介撮影)
 7月に就任した岡本薫明(しげあき)財務次官が28日までに産経新聞のインタビューに応じ、編成作業が本格化する平成31年度予算について、社会保障費の前年度比の伸びを「(自然増分の)6000億円から極力抑えさせていただく」と述べ、社会保障制度の見直しで財政健全化を進める重要性を強調した。31年10月の消費税増税後の反動減対策については、耐久財の購入支援を行うと説明した。
 今月末に各省庁からの概算要求が締め切られる31年度予算は基礎的財政収支を37年度に黒字化する、新たな財政健全化目標達成に取り組む初年度の予算となる。岡本氏は財政赤字の継続が「社会保障の(給付と負担の)アンバランスから生じている」と分析。団塊の世代が後期高齢者になり始める前の33年までが「社会保障の見直しの大切な時期だ」と述べた。
 また、「(医療などの)サービス縮小は国民生活に大きな影響があり、容易ではない。だが、見直さなければ社会保障制度そのものの持続が可能でなくなる」とも訴えた。
 概算要求基準で認められている社会保障費の6000億円の自然増に関しては、「高齢化で増える部分はある程度やむをえないが(医療の高度化など)ほかの要因の部分は見直してもらう」と指摘。厚生労働省は抑制に慎重とみられるが、岡本氏は「社会保障の持続可能性に関する問題意識は共有している」と述べた。
 31年度予算に盛り込む消費税増税後の景気落ち込み対策については、「前回の(8%への)税率引き上げ時には(車、住宅などの)耐久消費財中心に大きな影響があったので、そのあたりを支援する」と説明。
 軽減税率導入による負担増や、増税による増収分が幼児教育無償化などに振り向けられることも勘案し、「必要な規模を考えていく」とした。
 一方、学校法人「森友学園」をめぐる決裁文書改竄(かいざん)問題に関しては、反省し、国民の信頼回復に全力を尽くす考えを示した。文書改竄の背景について「前の国会答弁と違う内容の資料が判明したとき、(当時の理財局幹部は)予算審議を滞らせてはいけないと思ったのではないか」と述べた。
 その上で、「ルールを犯してよいことにはならない。予算・税に関わる役所が国民の信頼を失うことはゆゆしき事態で、真摯(しんし)な反省が必要だ」とし、省内に新設した会議などを通じて、「職員のコンプライアンス(法令順守)意識を徹底させる」と強調した。