【米中貿易戦争】23日に新たな関税発動、応酬激化 続く我慢くらべ - 産経ニュース

【米中貿易戦争】23日に新たな関税発動、応酬激化 続く我慢くらべ

 【ワシントン=塩原永久】貿易問題で対立する米国と中国が23日、新たな制裁関税と報復措置を互いに発動する。7月上旬に双方が発動した関税分を含め、米中が相手の輸出品に課す関税対象品の規模は、それぞれ約500億ドル(約5兆5千億円)に拡大。関税発動の応酬が両国経済に及ぼす影響も次第に深刻化する見通しで、2大経済大国による「貿易戦争」は我慢比べの様相を深めている。
 中国の知的財産権侵害を問題視するトランプ米政権は6月、米通商法301条に基づき、中国からの計500億ドル相当の輸入品に25%の関税を上乗せする制裁を決めた。米国はまず7月6日に340億ドル分を発動。今月23日に残り160億ドル分の適用を始める。
 中国政府は7月6日の米制裁に即日、同規模の報復を実施した。今月23日の新たな制裁にも即座に反撃する方針を表明している。
 これに対し、トランプ米政権は「中国が不公正取引を改めようとしない」として、さらに2千億ドル(約22兆円)相当の大規模制裁を準備している。中国も対抗する構えで、米中の2大経済大国は、制裁と報復を繰り返す歯止めのない泥沼に陥りつつある。
 関税対象品の規模が拡大するのにともない、景気に及ぼす影響への懸念も次第に深まっている。米企業では中国の報復関税などの影響で、投資の先送りやレイオフ(一時解雇)が始まった。中国では景気を支える輸出の伸びが鈍化。対米摩擦が投資マインドを一段と下押しする兆しもみえる。
 米政権の対中制裁は、主に中国政府が振興に力を入れるハイテク製品を狙う。制裁対象には半導体などの電子部品が含まれ、中国の主要輸出品に打撃を与える意図が鮮明だ。
 また、準備中の2千億ドルの制裁は衣料品や食料品などの生活必需品も含む。米国が発動を決めれば、中国からの年間輸入額の半分程度に高関税が課されることになるが、物価上昇や貿易低迷により、米国自身の景気もしっぺ返しを受ける可能性が高い。
 関税発動の応酬が両国の景気に痛みを与え、“共倒れ”となる恐れすらある中、米中両政府は22日から次官級の貿易協議を行い、6月以降、途絶えていた公式交渉を再開させる。しかしトランプ米大統領は対中貿易赤字の是正に強い意欲をみせており、通商専門家の間では、次官級協議が貿易摩擦の緩和に向けた転機となるとの見方は少ない。