フェイスブック株価暴落 市場は「成長神話」に疑念 利用者不信とSNS頼み…内外に課題

 

 【ワシントン=塩原永久】米交流サイト(SNS)大手フェイスブック(FB)の「成長神話」に市場が疑念の目を向け始めた。業績発表を受けて26日に暴落したFB株は27日も続落し、株主からはザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)に対する訴訟も起こされた。FBは個人情報流出問題への対応を求める利用者らからの「外圧」に加え、成長余力を失いつつあるSNSへの依存からの脱却の必要性という「内圧」にもさらされている。

 約19%にも及んだ26日の暴落は投資家に衝撃を与えた。FB株がさらに約0・8%下落した27日には、一部の株主がFBとザッカーバーグ氏をニューヨーク・マンハッタンの連邦裁判所に提訴。FBが売上高や利用者数などの情報について、市場の誤解を招くような開示方法をしてきたと主張している。

 暴落のきっかけは25日の2018年4~6月期決算発表で、「今年後半にかけて売上高の伸び率は減速が続く」(ウェーナー最高財務責任者)との見通しが示されたことだ。売上高と最終利益は過去最高だったが、翌26日には株価が約19%も急落。時価総額は1日の減少額として過去最大の約1200億ドル(約13兆3千億円)も目減りした。

 暴落の背景には、個人情報保護に対する関心の高まりもある。FBは4月、英データ分析会社に漏洩(ろうえい)した利用者情報が8700万人分だったと公表。同社に厳格なプライバシー保護を求める声が高まった。市場では情報保護コストの増加で数年にわたり収益が悪化するとの見方もあり、投資家の売りにつながった。

 またSNSを収益の中核とするビジネスモデルの成長性も疑問視されている。FBが25日に明らかにした6月末のSNSの月間利用者数は約22億3400万人で1年間の伸び率は約11%。昨年6月末時点での伸び率約17%から大きく減速し、市場予想も下回った。

 米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、調査会社イーマーケターの予測では、成長を続けてきたデジタル広告支出の伸び率は21年から22年にかけて鈍化し、9%を下回るという。デジタル広告市場の成熟化が進む中、膨大な利用者数を広告収入に結びつけるFBの手法は曲がり角を迎えている。

 FBを「ITの覇者」に押し上げたSNS事業を取り巻く難題を、同社がどう克服しようとするのか。投資家の視線はFBの「次の一手」に向けられている。