【神戸製鋼データ改竄】第三者委設置に及び腰 不祥事向き合う企業姿勢問われる - 産経ニュース

【神戸製鋼データ改竄】第三者委設置に及び腰 不祥事向き合う企業姿勢問われる

記者会見で厳しい表情を見せる、神戸製鋼の川崎博也社長=3月6日午後、東京都中央区(松本健吾撮影)
 企業法務に詳しい弁護士らでつくる格付け委員会は、製品データ改竄問題に関する神戸製鋼所の報告書に対し、無資格検査問題を起こした日産自動車に続き、“最低レベル”の評価を与えた。両社とも、独立した第三者委員会を設置して調査・報告を委ねたとはいいがたい点が共通。客観性や専門性が不足した調査では、問題の幕引きや経営陣の保身に利用されているという印象はぬぐえず、企業側の「不祥事と向き合う姿勢」が問われている。
 格付け委は、これまでに16件を評価している。このうち、DとF以外の評価がなかったのは5件目で、日産、神戸製鋼と2件連続となった。神戸製鋼は「外部調査委員会」を設置したものの、メンバーは弁護士3人のみ。その調査の全容は訴訟リスクがあるなどとして公表せず、報告書は「(外部調査委の調査結果の)一部をつまみ食いして会社自らがまとめた」(格付け委の久保利英明委員長)。日産も大手の西村あさひ法律事務所に調査を全面的に委託した。
 日本取引所自主規制法人の「上場企業における不祥事対応のプリンシプル(原則)」では、「調査の客観性・中立性・専門性を確保するため、第三者委の設置が有力な選択肢になる」としている。この場合の第三者委は弁護士のほか、公認会計士やジャーナリスト、学識経験者ら多彩な顔ぶれが想定されている。
 こうした第三者委を設置せず、大手法律事務所などに調査を“丸投げ”するケースが増えていることに関連して、格付け委の松永和紀委員(ジャーナリスト)は「不祥事企業が弁護士の仕事をつくり、弁護士は会社の意向を受けた報告書をつくる、という構造がある」と指摘する。調査の報酬は明らかにされていないが、「大手法律事務所では1件10億円が基準」(久保利氏)とされ、企業不祥事が絶好の商機になっているという。
 久保利氏は9日、「第三者委の報告書は、毀(き)損(そん)された企業価値を再生することができる会社だと示せるツールだ」と、活用されないケースが増えていることに危機感をにじませた。(高橋寛次)