神鋼次期社長 改竄防止「不退転の覚悟」 事業再編排除せず - 産経ニュース

神鋼次期社長 改竄防止「不退転の覚悟」 事業再編排除せず

神戸製鋼のデータ改ざん問題で、記者会見の冒頭で謝罪する神戸製鋼所の次期社長、山口貢氏=16日午後、東京都港区(飯田英男撮影)
会見する神戸製鋼所の次期社長、山口貢氏=16日午後、東京都港区(飯田英男撮影)
 4月1日付で神戸製鋼所の社長に就任する山口貢副社長が16日に東京都内で記者会見し、製品データ改竄(かいざん)問題に関して、「再発防止策の実行による信頼回復を何が何でもやりきる」と抱負を述べた。引責辞任に追い込まれた川崎博也会長兼社長を引き継ぐ山口氏は、非主流の機械部門出身者で初のトップとなる。創業以来、最大の危機に直面した名門は、異例の人選で復活を目指す。
 「社長を受けたからには不退転の覚悟で臨む。(改革は)できると思う」
 山口氏は会見で、こう強調した。他社との合併や提携については「会社全体では考えにくい」とする一方、「各事業をどう強化していくかが大変重要で、選択肢の一つとしては排除しない」と語った。
 6日に公表された最終報告書で、出身の機械部門でも不正があったと指摘されたことには、「大変申し訳なく、重く受け止めている」と陳謝した。
 社長就任は慌ただしく決まった。打診されたのは、最終報告書が公表され、川崎氏が辞任表明した翌日の7日。山口氏は就任要請について「驚いた。こういう状況で大役を仰せつかってよいのかとも考えた」と振り返った。
 ただ、今回の人選では山口氏以外に選択肢はなかったともささやかれる。有力視されたのは水口誠専務執行役員だが、同社には取締役しか社長になれない内規がある。4人いる副社長のうち、広範囲で不正に手を染めていたアルミ・銅部門担当の金子明氏が辞任を表明。不正があったとはいえ数が少なく、関与が薄い機械部門出身の山口氏が、最も“無傷”に近かった。
 以前の社長は、売上高の4割弱を占める鉄鋼部門出身者が多かった。これに対し、機械部門は約1割にすぎないことでも、いかに異例かが分かる。
 ただ、山口氏は20代を鉄鋼部門で過ごし、数年前には経営企画担当として川崎氏を補佐した経験がある。山口氏は会見で、「事業部門に偏らず、比較的客観的に神戸製鋼をみられる」と自身の強みを強調した。
 もっとも、再発防止策の一環として会長職を廃止し、社外取締役が取締役会議長を務めるため、支え役がいない。しかも、社外取締役の構成比を取締役会の3分の1以上に引き上げ、「お目付け役」が増える。リーダーシップが失われる可能性も否めず、改革は相当な困難が予想される。