【神戸製鋼・詳報】(3)完 訴訟リスク「余談許さない状況」 - 産経ニュース

【神戸製鋼・詳報】(3)完 訴訟リスク「余談許さない状況」

記者会見に臨む、神戸製鋼の川崎博也社長(右)=6日午後、東京都中央区(松本健吾撮影)
記者会見で厳しい表情を見せる、神戸製鋼の川崎博也社長=6日午後、東京都中央区(松本健吾撮影)
記者会見で頭を下げる、神戸製鋼の川崎博也社長(手前)=6日午後、東京都中央区(松本健吾撮影)
記者会見に臨む神戸製鋼の川崎博也社長(手前)=6日午後、東京都中央区(松本健吾撮影)
記者会見で頭を下げる、神戸製鋼の川崎博也社長(手前)=6日午後、東京都中央区(松本健吾撮影)
記者会見に臨む神戸製鋼の川崎博也社長(左)=6日午後、東京都中央区(松本健吾撮影)
--不正が始まった時期はいつにさかのぼるのか。
 「一番古いのは1970年代だと認識している。70、80年代の記録は残っていないが、(第三者委員会がOBらに)ヒアリングする中で、複数の人が確度の高い証言をした」
--これほど広く、これほど長く不正が続いてきたのはなぜか。組織性があったのか、本社からの指示はあったのか。
--アルミ・銅部門を中心に広汎な不正があり、しかも時代がかなりさかのぼる。直接的な原因だが、アルミ・銅部門は工程能力に見合わない受注をし、生産していた。また機械部門は容易にねつ造可能な環境だった。しかし根本的には、本社による品質チェック機能が不十分だった。また役員のコンプライアンス意識の不足、品質に関して本社がガバナンス機能を持っていなかったことが根本原因だ。本社からの不正の指示は一切なかった」
--不正は自然発生したのか、誰かが指示したのか。
 「栃木県の真岡製造所では1970年代、三重県の大安製造所は1980年代に始まっている。同時発生的に誰かの指示で始まったとは考えていない。ただ、事業部門として十分な収益寄与をできなかったという背景、プレッシャーが無理な受注や生産に走らせた。アルミ・銅部門の場合は金属の違い、鋳造・押し出し・圧延というプロセスの違いも背景にある。真岡、大安、長府、幡生と製造所の大部分が関西に集中しており、鉄や機械といった他部門との交流が乏しかった、その結果、きわめて閉鎖的な組織運営となっていた。したがって、同時発生したとは考えていない」
--独立社外取締役は、新体制でも5人と同数だ。間違った方向への動きに歯止めをかけづらいのでは
 「社内取締役の人数を(定員13から11に)減らし、社外取締役の比率は3分の1以上へと上がる」
--会長職廃止の狙いは。
 「定款上、取締役会議の議長を会長が務めるとしていた。今後は、独立社外取締役に議長を務めてもらうので、会長は必要ないと判断した」
--取締役の退任後、顧問や相談役に就く可能性は。
 「未定。退任後の役職に関する現在の内規を見直す必要があるためだ」
--日本のものづくり産業への教訓は
 「ものづくりの根幹に関わる問題を興したことは申し訳ない。対策を誠実にスピード感を持って進める。そういう姿勢で取り組めば、日本のものづくりに対する信頼回復につながると信じて愚直に取り組む」
--契約のキャンセルや賠償の業績影響、訴訟リスクは。
 水口誠専務執行役員「今期の業績影響は概ね100億円。失注などで30億円、安全性検証の費用、部品交換で20億円、そのほか弁護士費用など。来期以降の訴訟リスクは特に海外、米司法当局が言及しており、どうなるかはわからないが、捜査には全面協力してリスクの極小化を図る。予断を許さない状況だ」
 記者会見は2時間25分で終了し、川崎社長らは改めて深々と頭を下げ、会場を後にした。