(2)後継選び「再発防止と成長戦略のリーダーを」

神戸製鋼・詳報
記者会見で頭を下げる、神戸製鋼の川崎博也社長(手前)=6日午後、東京都中央区(松本健吾撮影)

 製品データ改ざん問題をめぐり、神戸製鋼所が第三者委員会の調査報告を公表した記者会見。次期社長の人選について、川崎博也会長兼社長は「再発防止のリーダーを務め、神戸製鋼の成長戦略を描ける人物を、社外取締役と相談しながら選びたい」と述べた。

 第三者委による調査では、系列会社を含む6社・部門で新たな不正が判明。新たに163社に不正な製品を納入していたことが分かり、納入先はこれまで公表していた525社から605社へと拡大した。また、一連の不正には2人の元役員が役員就任前に直接関与していたこともわかった。

 川崎氏は、経営体制の刷新や品質マネジメントの強化といった再発防止策も含めて約20分間で説明を終え、「再び信頼していただける会社へ生まれ変わるために、不退転の決意で取り組む」と決意を表明。会見は質疑応答へと移った。

 報道陣と川崎氏との主なやり取りは次の通り。 

--退任の理由について、改めて。

 「昨日の取締役会に調査委の結果報告があった。極めて多くのお客さまにご迷惑をかけた責任は重い。対策を確実かつスピーディーに進めるためには、そこで新たな経営体制の元で取り組むことが必要と決心し、辞任を申し出た」

--次の社長は指名報酬委員会で選ぶのか。

 「指名報酬委員会は、4月1日以降の新経営体制で設置される。その前段階である独立社外取締役会議に相談することになる」

--退任をいつ決意したのか。

 「1週間ほど前に調査報告の骨子を聞いて、退任を考えた。報告の中に、社長の進退に関する項目はなかったが、今回の不適切行為でいかに多くの皆様にご迷惑をかけたか再認識し、新しい体制で(改革に)取り組むべきだろうと考え、取締役会に申し出た次第だ」

--誰かに相談は。

 「していない」

--1人で決めたのか。

 「そうです」

--後継社長に求められる条件は。

 「神戸製鋼は変わる必要がある。社外取締役の意見も聞くが、再発防止のリーダーを務められる、神戸製鋼の成長戦略を描くことができる、そうした能力・素養面で決めたい」

--次期社長を社外から選ぶ考えは。

 「(そうしたことも含め)速やかに検討して参りたい」

--安全性の検証は、まだ大半が済んでいない。

 「納入先は計600社超に上る。足下でリコールなどの問題は起きていないが、可能な限り早く検証を進めたい」

--関西電力の原発再稼働が延期されるなど、影響は小さくない。

 「繰り返しになるが、多くのお客さま、取引先の皆様に安全性検証、生産調整などを含め多大なご迷惑をおかけした。まだ終わっていない安全性検証を速やかに、全力を挙げて終えること、再発防止策を誠実に愚直に取り組むことがわれわれの最大の使命だと思い、努力していきたい」

--鉄鋼事業部門で不正が発覚した後、なぜ全部門に調査を広げられなかったのか。

 「2016年に神鋼鋼線ステンレスで不正が判明した。その問題がなぜ、他部門でも起きると考えなかったのかを、必死に反省した。経営陣、私のコンプライアンス意識の低さがあったのではないかと後悔している」