公衆無線LANの規制強化 「パスワード不要」自粛求める 総務省が来年度、サイバー攻撃の増加に対応

 

 総務省は15日、情報漏洩(ろうえい)やサイバー攻撃に利用される危険性のある、パスワード不要の公衆無線LANアクセスポイント(AP)に関する規制を原則として強化する方針を固めた。今年度中に有識者会議で課題をまとめ、来年度に公衆無線LAN事業者向けのガイドライン(指針)を改定する。訪日客が増加する2020(平成32)年に向け、総務省はセキュリティーを強化してサイバー攻撃の増加を防ぐ考えだ。

 公衆無線LANは携帯電話事業者や喫茶店などが無料で提供している。利用者にとってはスマートフォンの毎月のデータ通信量を節約した上で高速通信ができるなどの利点が大きい。

 ただ、パスワードを入力しなくても使える暗号化されていない公衆無線LANのAPでは、クレジットカードなどの重要な情報をやり取りすると、悪意のある第三者から情報を盗み取られる可能性もある。また、パソコンやスマホが不正アクセスされ、身に覚えのないサイバー攻撃に利用されるおそれもある。

 総務省はこうした状況を踏まえ、暗号化されていないAPを原則として提供しないよう、事業者に呼びかける考え。今月下旬から4回程度、有識者会議を開いて対策を議論する。

 一方、公衆無線LANを導入している自治体や店舗には、観光客誘致のため、使いやすい環境を整えたいとの要望もある。このため総務省は一律で規制を強めるのではなく、地域や目的などに応じて規制を調整し、安全性と利便性の両立を図る方策を検討する。

 公衆無線LANをめぐっては世界各地のホテルのシステム経由でウイルスが拡散した例があるほか、9月には京都市で公衆無線LANを悪用してストーカー行為をした男が逮捕された。

 公衆無線LAN 公共の場でのパソコンやスマートフォンなどによるデータのやりとりに使える公開された通信網。携帯電話事業者などが提供する無料のものや、有料のものがある。携帯電話事業者と契約していなくても利用できるため訪日客にも人気が高い。