企業が重視する学業成績…「やりたいこと」だけでなく「やるべきこと」を学んでいるか

プロが指南 就活の極意
合同企業説明会に参加した大学生=3月、千葉市の幕張メッセ

 近年、採用の選考基準として学業成績を考慮する企業が増えています。企業における学業成績の選考基準は、文系と理系で方法が異なるようですが、採用段階で学生の「素」の姿を見極める一つの方法になっています。

 欧米では各科目の成績から算出された学生のGPA(大学の成績表を数値化した学力を測る指標)が採用基準になっています。しかし、日本ではこれまでGPAを導入する企業はほとんどありませんでした。背景には採用方針の違いがあります。欧米の新卒採用は、大学の専攻と業務内容がある程度一致した職種別採用が中心ですが、日本では長期雇用を前提とした採用のため、大学の専攻と業務内容が一致しないことが多く存在していました。そのため、大学によってGPAで評価する大学と独自の評価をしている大学とで分かれていました。しかし、平成26年ごろからGPAを評価する企業が出始めたことで、大学もGPA評価を導入し始めるようになりました。

 「学業成績が優秀であることが、仕事ができることにつながるのか」という問題は以前から論争の的となっています。ただ、コミュニケーション能力など、いわゆる仕事に有益な能力と学業成績の間には緩い相関があるという研究結果が出ており、企業側も、経験則として偏差値の高い大学の学生には仕事ができる人の割合が高いという感覚を持っています。そのため、学歴フィルターの実施や成績重視の動きは、基本的にこの考え方に沿った採用方法といえます。しかし、あくまで偏差値と仕事の能力に緩い相関があることを示しているだけですので、偏差値が高い大学の学生が皆、仕事ができるわけではないところに大きな落とし穴があります。

 このような中での学業成績重視の動きは、学生を正当に評価することの難しさを物語っています。最近の学生は入念に事前準備するため、学生の本質的な性格や特性を測りづらい状況になっています。そのため、履修履歴を基に学業に対する姿勢や考えについて尋ねることで、「やりたいこと」だけでなく「やるべきこと」への取り組み方などを多面的に評価しようとしているのです。

 学業成績を企業が重視していることを知らない学生も多いです。大学3年生になって気付いても遅いので、早い段階から計画性を持って学業に打ち込んでほしいと思います。

 将来的には大学ではなく教授名で優秀な学生かどうかが評価される時代がくるかもしれませんのでゼミナールの選び方も慎重に決めてほしいと思います。(「内定塾」講師 齋藤弘透)

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