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【主張】WHOの台湾排除 露骨な中国傾斜をやめよ

 新型コロナウイルスの猛威が世界を襲う中、世界保健機関(WHO)は今年も年次総会から台湾を締め出した。中国の強硬な反対による。

 世界地図に保健衛生上の空白域を作る愚挙であり、自ら存在意義をおとしめる組織の抜本改革は喫緊の課題である。

 非加盟の台湾は、中国が独立派とみなす蔡英文政権発足後の2017年から総会へのオブザーバー参加が認められなくなった。先進7カ国(G7)外相会合は今月5日の共同声明で、WHO総会への台湾のオブザーバー参加に支持を表明していた。

 中国外務省の趙立堅報道官は台湾の参加について「本当の目的は感染症を利用して独立を図ることだ。われわれは断固反対する」と述べていた。WHOはG7などの声を無視し、中国の主張を受け入れたことになる。

 中国は、ワクチンの確保に苦しむ台湾に、提供の用意があるとする一方で、「当面の急務は人為的な政治的障害を排除することだ」とも述べた。人命や健康を人質に取る露骨な脅し文句を並べる国の言い分を、なぜWHOは聞かなくてはならないのか。

 総会では、WHOの新型コロナ対応を検証する独立委員会が最終報告書を提出する。WHOが昨年1月22日に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」宣言を見送ったことを問題視したものだ。宣言は8日後の30日に出たが、この間に何があったか。

 WHOのテドロス事務局長は北京を訪問して習近平国家主席と会談し、「中国政府が迅速で効果的な措置を取ったことに敬服する」と称賛していたのだ。テドロス氏はまた昨年4月、「台湾から人種差別を含む中傷を3カ月にわたり受けた」と言い出し、中国は「テドロス氏に対する人身攻撃を強く非難する」と擁護した。だが中傷の内容は一切明らかにされず、台湾側は厳重に抗議した。

 こうしたWHOの極端な中国寄りの姿勢が武漢発ウイルスの世界的蔓延(まんえん)を助長する一因となったことは明らかである。米国のトランプ前大統領はWHOを「中国の操り人形」と呼んだ。

 現状のWHOに新型コロナと戦う司令塔役を任せることはできない。G7をはじめとする国際社会はWHOに組織改革を強く迫り、まずは台湾にワクチン供与などの手を差し伸べるべきだ。

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