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【新聞に喝!】ハマスのテロ戦略に乗せられるな イスラム思想研究者・飯山陽

パレスチナ自治区ガザには21日、空爆で破壊された建物のがれきが山のように積まれていた。ウエディングドレスも目に入る(左)(共同)
パレスチナ自治区ガザには21日、空爆で破壊された建物のがれきが山のように積まれていた。ウエディングドレスも目に入る(左)(共同)

 5月に入り激化したイスラエル・パレスチナ紛争について12日、中山泰秀防衛副大臣が「イスラエルにはテロリストから自国を守る権利があります」とツイートした。これに対して毎日新聞は「イスラエル側に肩入れ」、朝日新聞デジタル版は「イスラエル側を擁護」と批判した。しかし、同日にバイデン米大統領がイスラエルの自衛権を支持すると表明したように、これは主権国家として当然の権利である。

 パレスチナは被害者でイスラエルは加害者だと過度に強調する毎日や朝日の記事には偏向を容易に確認できる。第1に、パレスチナ問題は双方に言い分のある領土問題である事実を隠蔽(いんぺい)し、イスラエルが悪いと一方的に決めつける。第2に、イスラエルを攻撃しているのはハマスというイスラム過激派テロ組織であるのにイスラム組織と描写してごまかす。第3に、イスラエルの占領は国際法違反だと強調しつつ、明確に国際法違反であるハマスのロケット弾攻撃は非難しないどころか暗に擁護するといった具合だ。

 12日の朝日新聞デジタル版は「ロケット弾はハマスが発射しているとされる」とハマスではない可能性を示唆する記事を掲載したが、ハマスがロケット弾攻撃の詳細を誇るべき戦果として分刻みで公開している事実と矛盾する。

 また、ハマスがこのタイミングで無差別テロに踏み切った要因には、パレスチナ自治政府との政争やハマスに資金と武器を供給するイランの核合意問題の難航などが考えられるにもかかわらず、13日の朝日新聞社説は「衝突の背景には、世界から見捨てられているというパレスチナ人の絶望感がある」と「世界」のせいにした。明らかな論点のすり替えである。悪いのは世界ではない。ハマスだ。

 ハマスは「悪の帝国主義占領国家イスラエルに対する抵抗運動」を掲げてロケット弾攻撃をすれば、世界のリベラルメディアが自らを支持し、イスラエルを非難すると熟知しているからこそテロを続ける。その戦略に乗せられたかのごとく、イスラエルを一方的に非難し続ける毎日や朝日はハマスのテロの共犯者に等しい。

 イスラエルとハマスは停戦で合意したが、ハマスに人間の盾として利用され、国際的な支援金や支援物資を収奪されているパレスチナの人々のためにも、まずはハマスにテロという戦術を捨てさせねばならない。そのためには毎日や朝日の偏向報道を暴き、批判することが肝要だ。

【プロフィル】飯山陽

いいやま・あかり 昭和51年、東京都生まれ。イスラム思想研究者。上智大文学部卒、東大大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。著書に『イスラム教再考』など。

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