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【主張】パレスチナ衝突 「全面戦争」回避に努めよ

 中東のイスラエルとパレスチナの間で大規模な軍事衝突が起きた。パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義勢力ハマスは、ロケット弾千発以上をイスラエルに向け発射した。報復のためイスラエル軍はガザを空爆した。

 イスラエルのネタニヤフ首相はハマス幹部を殺害したとし、「これは始まりにすぎない」と述べた。ハマス側も攻撃強化を示唆している。

 国連の中東和平特別調整官は「全面戦争」に拡大しつつあると警告した。すでに、双方に多数の死傷者が出ている。暴力の応酬はただちにやめるべきだ。

 イスラエル国内でもアラブ系住民とユダヤ人の衝突が激化し、流血の拡大が憂慮される。

 国連のグテレス事務総長は、米国とロシア、国連、欧州連合(EU)の4者により、双方の対話を促す意向を示した。安全保障理事会は緊急会合を開催した。

 国際社会による仲介は急務である。中でもイスラエルと強い関係を持ち、「中東和平の仲介者」たる米国には役割を果たしてもらわねばならない。

 中東情勢の最近の焦点は、中東各地の武装勢力を支援して影響力増大を図るイランと、イランの動きを懸念するアラブ諸国との対立だった。

 イスラエルとアラブ諸国の対立構造は相対的に弱まった。イスラエルが昨年、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンと、米国の仲介で国交樹立で合意したのはこれを象徴する出来事だ。

 パレスチナ問題の優先順位は下がり、米国などが仲介する和平交渉は停滞し、パレスチナ人は孤立感を深めていた。だが、今回の軍事衝突は許されない。

 バイデン米政権はイスラエル一辺倒だったトランプ前政権とは一線を画し、パレスチナ国家樹立を認める「2国家共存」を支持すると表明し、パレスチナ難民への支援再開も表明している。

 バイデン政権が、中国への対抗から外交政策の比重をインド太平洋地域に置くのは妥当だ。そのためにも中東の混乱が拡大しないことが肝要である。

 ハマスとイスラエルの「全面戦争」に発展した場合、ハマスとつながるイランの革命防衛隊などが干渉を強め、戦火がさらに広がる恐れもある。バイデン政権には積極的な行動を求めたい。

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