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【主張】米の北朝鮮政策 完全非核化へ圧力継続を

 バイデン米政権が新たな北朝鮮政策をまとめ、先進7カ国(G7)外相会合などで説明した。

 中身は明らかにされていないが、「調整された現実的な取り組み」であり、トランプ政権のように首脳間の「一括取引」を目指すものではなく、オバマ政権のように「戦略的忍耐」に依存するものでもないという。外交交渉を通じ、段階的な合意を積み上げることが想定されているようだ。

 どのような形で交渉を進めようともあくまで「完全な非核化」を追求してもらいたい。平和への脅威を排除しなければならない。

 北朝鮮に求められるのは生物、化学兵器を含む全ての大量破壊兵器と、その運搬手段である弾道ミサイルの廃棄だ。米国に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)のみならず、中・短距離ミサイルも廃棄の対象として見過ごせない。

 トランプ前大統領は即時の完全な非核化を求め、首脳会談に踏み切ったが、「取引」は失敗した。ただ、米国などの軍事、経済両面での「最大限の圧力」が金正恩総書記を首脳会談へと引き出したことには留意せねばならない。

 国連安全保障理事会の決議が定めた北朝鮮制裁はその柱である。交渉にあたっては、制裁決議の厳格履行が大前提であり、履行状況を常に厳しく監視すべきだ。

 安保理決議は、北朝鮮の核・ミサイル開発に必要な資金や物資の流入を断つのが第一の目的だ。実効性を確保するためにはサイバー攻撃などによる不法な外貨獲得にも目を光らせる必要がある。

 北朝鮮が1994年の米朝枠組み合意や2005年の6カ国協議での合意の後、核開発凍結などの約束を破り、重油や食糧を手に入れ、米国の金融制裁緩和やテロ支援国家指定解除をもぎとったことも忘れてはならない。これ以上、嘘を許すわけにはいかない。

 気がかりなのは、米中対立が深まる中で、中国が同じ「専制主義国家」である北朝鮮への肩入れを強めることだ。新型コロナウイルスの流行で閉ざされていた中朝国境の再開の動きも伝えられる。中国には安保理常任理事国として、責任ある振る舞いを求めたい。

 G7外相会合の機会に開催された日米外相会談で、茂木敏充外相は、米国の北朝鮮政策に支持と歓迎を表明した。日本にとって重要な拉致問題の解決に向けても日米の一致協力が不可欠である。

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