PR

ニュース コラム

【主張】緊急宣言の延長 出口の基準を明確に示せ

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。政府が、東京、大阪など4都府県に11日までの予定で発令中の緊急事態宣言を、31日まで延長することを決めた。12日から適用対象に愛知、福岡の2県を追加する。

 7県に発令中の蔓延(まんえん)防止等重点措置も31日まで延ばす。9日から北海道、岐阜、三重の3道県を加え、宮城県は12日に解除する。

 菅義偉首相は記者会見で、宣言延長で負担を強いられる国民に謝罪した。国民に対策への一層の協力を呼びかけ、ワクチン接種を急ぐ考えを示した。

 10日の週から、海外から届くワクチン供給量は増えていく。だが、医療従事者でさえ予定の2割程度しか接種が済んでいない。高齢者の接種終了のめどは80日以上も先の7月末だ。接種を急ぐべきはもちろん、人出の抑制と医療体制の強化も喫緊の課題である。

 宣言延長、拡大に追い込まれたのは、大型連休中の人出を減らして抑え込みを図る政府の「短期集中」戦術の失敗を意味する。

 変異株の脅威認識に甘さがなかったか。人流抑制などの対策も中途半端だった。大阪などでは医療提供体制が崩壊し、自宅療養とは名ばかりの放置状態で命を失う人まで出ている。従来型よりも感染力が高い英国型変異株への置き換わりが、不十分な医療体制を直撃した。東京などで同様の置き換わりが急速に進むが、悲劇を繰り返してはならない。

 奈良県や大阪府は改正感染症法に基づきコロナ病床の確保を府県内の病院に要請した。政府は都道府県と連携し、同法も活用して病床増を図ってほしい。そこで働く医療従事者の確保も重要だ。

 インドで爆発的に流行中のインド型変異株の脅威が迫っている。日本国内でも感染例が出た。水際対策の強化では、邦人らの帰国を除く入国停止が必要だ。

 自粛疲れが国民の外出につながっている中で、首相や閣僚、首長の国民への発信は弱いままで、変異株の脅威を十分伝えていない。菅首相は「人の流れは減少した」と再三述べたが、ピントがずれている。「減り幅が足りない」となぜ呼びかけないのか。

 宣言を漫然と延長しても人々の行動は変わりにくい。感染者数や重症者数などがどれほど減れば解除できるのか、発令期間以外の出口の目安も示してもらいたい。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ