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【社説検証】処理水の海洋放出 「課題は風評克服」と産読  朝毎「政府・東電に不信」

 朝日は「住民や消費者が不安を抱くのは当然のことだ。事故を起こした原発からの、溶け落ちた炉心の冷却に使った水の放出であり、いつまで続くかもわからない」と指摘した。毎日も「漁業関係者ら地元の反対を押し切った形だ」とし、「福島の人々は不信感を募らせている。にもかかわらず『保管場所がなくなる』との理屈で一方的に押し通そうとする手法には、誠実さがうかがえない」と断じた。

 両紙は批判の矛先を東電にも向けた。過去に処理水中の放射性物質の残留について説明不足があったこと、地震計を壊れたまま放置していたこと、柏崎刈羽原発でテロ対策の不備が発覚したことなどを挙げ、「東電への不信も根深い」(朝日)、「事業者としての能力が疑われている」(毎日)と指弾した。

 毎日は「中国や韓国など近隣諸国の懸念を拭うのは容易ではない」とみていたが、両国は早速、「絶対に容認できない」(韓国政府)、「極めて無責任なやり方」(中国外務省)と激しく反発した。

 これに対し産経は、トリチウムの放射線の微弱さや、流されるのが太平洋側であること、中韓両国の原発からも放出されていることなどを挙げ、「両国の批判は全くもって的外れだ」と反論した。その上で、「国内での風評認定も度を越すと韓国や中国の論難と一線を画しがたくなる。良識として、そのことを忘れないでもらいたい」とクギを刺した。読売は、中韓の反発に「いたずらに敵対的な感情をあおる言動には、日本政府は毅然(きぜん)と対応してほしい」と訴えた。

 処理水は今後30年かけて徐々に放出される予定だ。政府・東電は安全性の確保を確認し、関係者の理解を得ながら、廃炉に向け、着実に作業を進めていくことが求められる。(内畠嗣雅)

■原発処理水の海洋放出決定をめぐる主な社説

 【産経】

 ・「風評」に負けてはならぬ (4月11日付)

 ・中韓の非難は見当違いだ (4月17日付)

 【朝日】

 ・納得と信頼欠けたまま (4月14日付)

 【毎日】

 ・福島の不信残したままだ (4月14日付)

 【読売】

 ・円滑な実施へ風評被害を防げ (4月14日付)

 ・国際社会に安全性を訴えよ (4月25日付)

 【日経】

 ・処理水の海洋放出は地元の理解重視で (4月14日付)

 【東京】

 ・不安は水に流せない (4月14日付)

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