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【世界の論点】気候変動サミット

オンラインで開かれた気候変動サミットで演説するバイデン米大統領(AP)
オンラインで開かれた気候変動サミットで演説するバイデン米大統領(AP)

 米国主催の気候変動に関する首脳会合(気候変動サミット)が4月22、23の両日、オンラインで開催され、約40カ国・地域の首脳が参加した。米英はそれぞれ、「野心的」な温室効果ガス排出量の国別削減目標を設定したが、米メディアの多くは米国の目標達成を疑問視する。一方で英紙は、英国が米国などと連携し、世界最多の二酸化炭素排出国である中国に国際協調を促せるかどうかが今後の焦点になるとしている。

米国 削減目標「履行は困難」

 バイデン米大統領が気候変動サミットで表明した温室効果ガス排出量の国別削減目標について、米主要メディアでは「達成は容易ではない」との見解が大勢だ。

 2030年までに05年比で50~52%削減する「野心的な目標」(バイデン氏)は、気候変動問題に熱心なリベラル系メディアから称賛されたが、具体的な実現方法がまだ示されていないとの指摘は根強い。

 米国が示した従来の削減目標は「25年までに05年比26~28%減」だった。バイデン氏が公表した新目標は、従来の削減率を2倍に引き上げた。米紙ワシントン・ポスト(電子版)は4月21日の社説で、新目標が「主な環境保護グループの希望に沿っているだけでなく、米主要企業が打ち出した方向性とも一致する」と前向きに評価した。

 一方で、「約束は容易だが履行は難しい」と強調し、目標達成に不可欠となる電力部門の脱炭素化や、電気自動車(EV)の普及に向けた具体的な方策を示すべきだとの立場を表明した。とりわけ、バイデン氏が提案した約2兆3千億ドル(約250兆円)規模のインフラ整備計画に盛り込まれた環境関連の投資が「強く求められている」とし、計画の法案成立を促している。

 また、太陽光や風力の再生可能エネルギー導入を拡大する上で、「化石燃料の需要低減につながる経済全般の政策が欠けている」と政府に注文を付けた。

 バイデン政権の方針を前向きに評価する論調とは対照的に、行き過ぎた温暖化対策に強い懸念を表明したのが、保守的な米主要経済紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)だ。

 同紙は、バイデン氏の温室効果ガス削減目標が達成困難なだけでなく、「中国の習近平国家主席が(国家統制型の経済計画として)示す『5カ年計画』のような強力な政府統制をお膳立てするものだ」と揶揄(やゆ)している。

 目標達成には、再生可能エネルギーやEVの導入支援に膨大な補助金を必要とするほか、化石燃料を使った発電所や電力網の効率化を義務化するような環境規制の強化が不可欠となる。こうした政府による市場介入に、同紙は批判的な立場だ。

 30年までの削減計画を柱とするバイデン氏の気候変動対策を、同紙は、米国版「10カ年計画」と呼び、環境関連の多額の予算を盛り込んだバイデン政権提案のインフラ投資計画は、厳格な温暖化対策を求めている民主党左派が提唱した「グリーン・ニューディールを偽装したものだ」と手厳しく批判している。(ワシントン 塩原永久)

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