PR

ニュース コラム

【主張】バイデン氏演説 日本は対中危機感共有を

 中国が国際秩序に挑戦し、覇権を握ることへの強い危機感の表れだ。就任100日を迎えたバイデン米大統領による施政方針演説である。

 習近平国家主席を「専制主義者」と呼び、「中国を世界で最も重要な国にすることに熱心だ」と評した。「民主主義は専制主義に対抗できないと考えている」とも指摘した。

 就任1年目の施政方針演説は今後4年間の政権の方向性を示すものだ。元来、内政に傾きがちな演説で、中国や習氏の名が何度も登場するのは極めて異例だ。

 中国抑止への決意表明と受け止めるべきである。同時に、それが容易ではないとの厳しい認識もうかがえる。バイデン氏は「民主主義が試されている」と述べた。

 バイデン氏はこの100日間で対中姿勢を明確に示してきた。演説で、この路線に揺るぎがないことを強調したかったのだろう。妥当な認識であり、歓迎したい。

 バイデン氏は、中国を「競争相手」と位置付け、米中対立を「専制主義との戦い」としている。習氏との電話会談では、インド太平洋地域で紛争を防ぐため軍事力を維持することや、人権問題で妥協しないことを直接伝えた。

 同盟・友邦諸国との結束を中国に対抗する基本とし、日米とオーストラリア、インドとのオンライン首脳会談で連携を広げた。ウイグル人の弾圧をめぐる対中制裁行動には欧州連合(EU)も加わった。トランプ前政権で疎遠になった欧州主要国との協力関係の強化は成果といっていいだろう。

 対中関与政策を取ったオバマ政権の副大統領だったバイデン氏には対中融和に転じる懸念があったが、今のところ、その疑念は払拭されている。専制主義と妥協しない姿勢を今後も貫いてほしい。

 バイデン氏が初めての対面会談の相手として選んだ首脳は菅義偉首相であり、同盟・友邦諸国の中でも日本重視は明らかである。問題は、対中抑止で米国と呼応すべき日本側の覚悟だろう。

 日本は国際秩序と民主主義を守る立場にあり、尖閣諸島奪取を狙う中国の直接の脅威にさらされている。それなのにウイグル問題では先進7カ国(G7)で唯一、対中制裁を行わず、非難行動も取らないのはどうしたことか。民主主義が正念場を迎えているというバイデン氏の危機感は、日本にとっても人ごとではないのである。

関連トピックス

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ