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ニュース コラム

【主張】緊急事態宣言 「感染抑止」へ先手を打て

 新型コロナウイルス感染症の重症患者急増で、大阪府が政府に対し、緊急事態宣言を発するよう正式に要請した。

 東京都は週内にも宣言を要請する方向で検討を進めており、22日の都モニタリング会議での専門家の意見聴取後に判断する方針という。

 政府はこれを受けて対応を協議する見通しだが、なんとも悠長に映る。

 大阪府でも東京都でも、状況は日々、悪化している。いずれも蔓延(まんえん)防止等重点措置の適用中だが、望ましい効果が得られそうにないのは明らかだ。大阪府では重症者数が、確保した重症病床の数を上回り、医療崩壊のありさまだ。

 菅義偉首相は20日の衆院本会議で、宣言発令について「蔓延防止等重点措置の効果を見極め、自治体とも緊密に情報交換しながら必要な対策を講じる」と述べた。

 だが、加藤勝信官房長官は大阪府について「病床使用率が急速に上昇し、医療提供体制が厳しい状況だ」と述べた。西村康稔経済再生担当相は東京都について「人流が減っておらず、変異株が5月には全て入れ替わるという予測を考慮すれば、対策の強化が必要な状況にある」と述べている。

 結論は、すでに出ているではないか。なぜ自治体の要請を待って検討を始め、週末の決定、週明けの適用という従来通りの手順を踏まなくてはならないのか。理解に苦しむ。

 ウイルスは、そんな政治日程を待ってはくれない。

 大阪府の吉村洋文知事は政府に宣言を要請するにあたり、飲食店に加えて百貨店やテーマパークなどの大型商業施設への休業要請が必要との考え方を示した。

 変異株という新たな強敵の跋扈(ばっこ)を前に、今は対策を徹底するときだろう。政府は「宣言解除から間がない」「重点措置を出したばかりなのに」といった批判は甘んじて受け止め、短期集中的で強力な対応策に踏み込むべきだ。

 過ちては改むるに憚(はばか)ること勿(なか)れである。面子(めんつ)や政治的思惑に執心している場合ではない。

 協力金の支給を伴う休業の要請や命令によって人の流れを減らすことが感染抑止に有効であることは分かっている。その上でワクチン接種を迅速に進めることにしか、ウイルスとの戦いに勝利する道はない。これらを主導できるのは、政府だけである。

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