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【主張】法人税改革 各国が協調し合意を急げ

 日米欧や中国など20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が共同声明に、多国籍企業の過度な税逃れを防ぐため、法人税に世界共通の最低税率を設けることなどを盛り込んだ。

 今年半ばまでに合意を目指すという。

 世界では、海外から企業を誘致するため、法人税率の引き下げ競争が加速する半面、巨大IT企業などの税逃れに対する批判も高い。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い各国では対策費用に充てる財政需要も高まっている。担税力がある大手企業に対し、一定の税負担を求めるのは当然だ。

 各国は大手企業への適正課税に向け、法人税の最低税率やデジタル課税の導入だけでなく、タックスヘイブン(租税回避地)を利用した税逃れの防止などでも積極的に協調し、実効的な対策を打ち出してほしい。

 今回の合意は、大幅な法人税減税を進めてきた米トランプ前政権からバイデン政権に交代した影響が大きい。米英では新型コロナ対策の財源確保のため、法人税増税を相次いで打ち出した。米国の姿勢転換を追い風にして合意づくりを急ぐべきだ。

 先進各国が法人税の引き下げ競争を進めた結果、経済協力開発機構(OECD)加盟国の法人税実効税率の平均は、2000年の32.2%から20年には23.3%にまで下がっている。こうした競争に歯止めをかけ、巨額の利益を稼ぐ国際的な企業などから徴税するには各国の協調が欠かせない。

 ただ、具体化には課題も多い。各国の思惑が交錯する中で、最低税率の水準をどのように設定するのか。多国籍企業などは国境をまたいで事業を展開している。そうした企業が低税率国やタックスヘイブンなどに逃げ込めないようにする仕組みが必要だ。

 デジタル課税の合意も急ぎたい。具体的な仕組みはOECDで議論されてきたが、米国が自国企業への課税に反発し、最終合意は遅れている。合意が遅れる中で英仏などが独自のデジタル課税を導入すれば、米国が対抗措置を講じる事態も懸念される。

 法人課税の強化を目指すバイデン政権はITに限らず、大手企業に対する新たな国際課税も提唱している。提案の内容をよく吟味しながら、早期に国際的な法人課税の枠組みを構築したい。

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